研究課題/領域番号 |
19K14375
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2020-2023) 関西大学 (2019) |
研究代表者 |
稲葉 美里 近畿大学, 経済学部, 講師 (70793975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会的ジレンマ / 入れ子型集団 / 期待 / 集団間関係 / 内集団ひいき / ビッグデータ |
研究開始時の研究の概要 |
大規模で複雑化した現代社会においては、様々な集団が入れ子状に存在しており、それらの集団間で効率的な資源分配を達成することは重要な課題となっている。本研究は集団間の資源のトレードオフ問題における人間の行動を、実験とシミュレーションによって検討する。特に人々が他の人たちだどのように行動すると予測するかに注目することで、集団間の資源分配が生じるダイナミズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、入れ子型社会的ジレンマの枠組みを用いて、集団間の資源分配のパターンを検討した。特に「他者の協力性への期待」と「内集団ひいき傾向」という2つの要因が、どのような資源分配のパターンを生み出すかを実験室実験で解明した。その結果、期待が明らかになる状況では集団への協力行動が促進されることが示され、他者からの期待に応える形でバランスのとれた資源分配が実現することが示された。内集団ひいき傾向が資源分配に与える影響は明確には示されなかった。ビッグデータ解析も行い、大規模社会での協力問題について現実データで検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、複雑化した現代社会における集団間の効率的な資源分配と協力の促進に寄与する点にある。入れ子型集団における研究成果は、異なる集団間の資源のトレードオフに関する理解を深め、社会における集団間の調和を達成するための適切な制度設計に新たな知見を提供する。 特に、他者への期待や内集団ひいき傾向が集団間の資源分配に及ぼす影響を明らかにしたことは、政策立案や組織マネジメントにおいて、協力を促進する手法の策定に役立つ。また、ビッグデータ解析による現実データの検証は、実験室内において得られた研究成果の外的妥当性を検証することを可能にするもので、人々の協力性を理解する手がかりとなる。
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