研究課題/領域番号 |
19K14383
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
上野 将敬 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (30737432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 霊長類 / 顔の識別 / 可塑性 / 深層学習 / 人工知能 / ニホンザル / 個体識別 / 発達 / 霊長類研究者 / 乳幼児 |
研究開始時の研究の概要 |
人は、それぞれに固有の顔を持つ。他者の顔を識別する能力が、どの程度生得的で、どの程度後天的なのかを知ることで、発達科学において重要な「氏と育ち」の問題への示唆となるばかりでなく、動物の中でも際立つ人の社会性の基盤を解明することにつながる。本研究課題では、まず、様々な月齢の乳児を対象として、乳児期における顔の識別能力の発達過程を明らかにする。また、サルの個体識別をした経験を持つサル研究者と一般成人を比べて、成人期における顔の識別能力の柔軟性を探る。最後に、人工知能と人の識別能力を比較し、人が持つ識別能力は、人工知能で代替できるのか、できないならば、人工知能にはない人の特徴が何かを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、他者の顔を識別する能力が、どの程度生得的で、どの程度後天的なのかを探り、動物の中でも際立つ人の社会性の基盤を解明することを目指した。サルの個体識別をした経験を持つサル研究者と一般成人を対象とした研究では、サル研究者は、一般の成人に比べ新奇なサルの顔を識別する能力が高いことが示された。また、本研究課題では、ニホンザルの個体識別を行うプログラムを深層学習を用いて開発した。深層学習によって高い精度でニホンザルの識別を行うことができるが、深層学習と逐次ベイズフィルタを組み合わせることによって、より高い精度でニホンザルの識別を行うことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトを含む霊長類は集団内において、他者を個体識別し、それぞれの他個体と社会関係を築く。これまでの研究では、顔の識別能力については生後1年以内の経験による影響が大きいと考えられてきた。本研究課題の研究成果から、成人した後であっても、サルを見る経験を積むことによって、サルの識別能力が向上することが示唆された。他方で、サル研究者が新奇のサル画像を見分ける場合、顔だけでなく、顔以外の身体の情報を利用していることが分かった。ここから、成人した後にも識別能力は向上するものの、乳児期に比べてその柔軟性は低い可能性が考えられた。
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