研究課題/領域番号 |
19K14392
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
今福 理博 武蔵野大学, 教育学部, 准教授 (80786616)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 内受容感覚 / 社会的認知 / 心拍 / 乳児 / 養育者 / アイコンタクト / 社会的認知発達 / 社会的相互作用 / 乳幼児 |
研究開始時の研究の概要 |
内受容感覚とは,空腹,体温,心拍などの身体内部の状態を知覚することである。内受容感覚は,他者とかかわる上で必要となる社会的認知や,子どもの生存可能性を高める養育行動に寄与している可能性が議論されている。しかし,これまでの研究は成人対象のものがほとんどであり,発達初期において内受容感覚が社会的認知発達に果たす役割は明らかでない。本研究では,乳幼児を対象に,社会的認知発達における内受容感覚の役割を実証的に解明する。更に,養育者 (母親) の内受容感覚の個人差が,養育行動や育児ストレスに及ぼす影響を明らかにし,社会的認知発達をボトムアップ的に再考する。
|
研究成果の概要 |
本研究では,乳児と母親を対象に内受容感覚の個人差を測定し,母子相互作用場面における社会的行動との関連性を検討することで,社会的認知発達における母子の内受容感覚の役割を明らかにすること目的とした。乳児から大人まで内受容感覚を同一指標で評価するために,新たな行動測定指標を開発した。この行動測定指標 を用いて,乳児と母親において内受容感覚の個人差を評価できることを確認した。本研究の結果,内受容感覚の敏感さが高い乳児は,母親の笑顔が多く,相互作用場面で社会的行動(アイコンタクト等)を多くすることがわかった。このことは,乳児期においても内受容感覚が社会的認知と密接に関与していることを示唆する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内受容感覚は,人間の感情や精神疾患との関連が指摘されており,その発達的基盤や役割について世界中の研究者から注目をあびている。先行研究では,青年・成人において内受容感覚と社会的認知の関連性を検討し,内受容感覚が高い者は,表情伝染が起こりやすく,アイコンタクトによる表情模倣の促進効果が大きいことがわかったが(Imafuku et al., 2020 Scientific Reports),乳児の内受容感覚の個人差が社会的認知発達と関連しているかは未解明であった。本研究成果は,内受容感覚の個人差が発達初期から存在し,人間が他者と関わるのに必要な社会的認知発達と関連することを世界で初めて明らかにした。
|