研究課題/領域番号 |
19K14400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2021-2023) 広島文教大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
住岡 恭子 岡山大学, 社会文化科学学域, 講師 (00805468)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 知覚された無気力 / 学業領域 / 大学生 / 追跡調査 / 潜在曲線モデル / 中間大学生 / 中間群大学生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学業に積極的でも非積極的でもない中間群の学生の「知覚された無気力」の特徴を,大学在学中から新卒社会人になるまでの追跡調査によって明らかにする。中間群の大学生は「回避-葛藤群」と「達成非重視低群」という2つの群に分かれることがこれまでの研究によって明らかにされている。2つの中間群はいずれも,大学在学時には適応の範囲内にとどまるため,単一時点のみを対象としたこれまでの研究において,それぞれの特徴や異同が明確に示されなかった。追跡調査を行うことで,この2つの群の具体的な違いを検討し,「学校化」する大学のなかで「まじめ化」する現代大学生の心理的特徴を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,学業に積極的でも非積極的でもない中間群大学生の「知覚された無気力」の特徴を,4年間の追跡調査によって明らかにすることであった。得られたデータを潜在曲線モデルと条件付き潜在曲線モデルによって分析し,学業領域の知覚された無気力における発達的変化について明らかにした。その結果,労力回避と達成非重視は経年的に増加するが,葛藤には経年的変化がみられないこと,学年と性別が各因子の経年変化における個人差を説明すること,無気力における学生自身の主観的な認知の違いによって,大学生活への重点と大学満足度との関連が少しずつ異なっていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大学を含む高等教育においては,授業への出席や成績や単位取得状況などの学業における無気力が,要支援学生の早期発見の指標のひとつとなっている。本研究成果によって,学生生活のどの段階でどのような認知的特徴をもつ無気力が生じているかを発達的視点から検討する有用性が示唆された。知覚された無気力の特徴の違いによって,無気力の経年変化に影響を与える要因は異なっており,学生の無気力を一義的に扱うのではなく,より認知的側面を詳細に検討することが必要であることが明らかになった。これは今後の大学教育や,大学における学生支援活動に活用できる視点であろう。
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