研究課題/領域番号 |
19K14403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 神戸親和女子大学 |
研究代表者 |
松本 麻友子 神戸親和女子大学, 文学部, 准教授 (00771693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抑うつ / 生活分析的カウンセリング法(LAC法) / 心理教育 / アプリケーション / オンライン授業 / 生活分析的カウンセリング法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はスマートフォン向けアプリを用いた生活分析的カウンセリング法による抑うつ軽減プログラムを開発し、短期的・長期的な効果を検討する。抑うつ軽減効果を実証的に調べるために、アプリ版プログラムを開発するとともに大学生へ実践し、プログラム実施前後の抑うつの変化や個人特性との関連を調べる。これにより、どのような対象者に効果的か、介入後も日常生活で継続的に活用できるか明らかにし、学生支援の一手法として提案する。さらに、アプリを用いたプログラムというICTによる介入の可能性を明らかにすることは治療への応用も期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、大学の講義で導入し、かつ日常生活においても実施可能なスマートフォン向けアプリケーションを用いた生活分析的カウンセリング法(Life Analytic Counseling; LAC法)による抑うつ軽減プログラムを開発し、短期的・長期的な効果を明らかにすることを目的としている。 本年度は研究計画に基づき、抑うつ軽減プログラムのアプリケーションを作成し、効果検証を行う予定であった。しかし、コロナ禍の影響で大学生に従来の手法を用いたプログラムを実施することが難しく、また反復的な自粛生活に伴う大学生のメンタルヘルスの悪化が懸念された。そこで、昨年に引き続き大学生のメンタルヘルスや学習・生活習慣がどのように変化したかを明らかにすることを目的に追跡調査を行った。追跡調査では、昨年度の調査協力者を対象に抑うつおよび、抑うつの影響要因(反すう、セルフコントロール、レジリエンス、パーソナリティ特性等)、生活習慣(学習時間、アルバイト時間、睡眠時間、余暇活動、生活満足度)に関する質問紙調査を実施した。その結果、COVID-19発生から3年以上経過している状況においても71.6%の学生が高い抑うつ傾向を示していることが明らかとなった。また、反すうやセルフコントロール、レジリエンス、パーソナリティ特性が抑うつの悪化や軽減に影響を及ぼしていることが示唆された。 この研究成果は、次年度に学会発表および学術論文として公表する予定である。なお、昨年度までの研究成果は学会発表(日本教育心理学会第64回総会、日本心理学会第86回大会)および学術論文(応用心理学研究)として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)コロナ禍における抑うつと学習・生活習慣の追跡調査 コロナ禍が長期化している現状において抑うつや学習・生活習慣の変化について2020年10月から2023年1月まで追跡調査を実施した。昨年度に実施した研究成果に関しては、学会発表および学術論文として公表することができた。また、本年度に実施した調査結果の一部は次年度に学会発表する予定である。 (2)アプリケーション版抑うつ軽減プログラムの作成 本年度の計画は、大学生を対象にLAC法によるアプリケーション版の抑うつ軽減プログラムを作成し、効果検証を行うことであった。しかし、コロナ禍の影響により対面でのプログラム実施が困難となり、計画していた研究が実施できなかったこともあり、進捗に遅れが生じている。次年度は対面実施をする上での対策を講じることによって当初の目的達成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、スマートフォン向けアプリケーションを用いたLAC法による抑うつ軽減プログラムを試作する。まず、これまでの調査結果を踏まえ、心理教育の一環として実施可能なアプリケーションを作成する。続いて、大学生を対象にアプリケーション版のプログラムを2週間試験的に実施する。なお、対面授業を基本とする大学の方針に則り、調査参加者の募集は学内およびweb上、プログラムの説明等は質問がしやすいよう対面で行う。さらに、対象者にプログラムの閲覧頻度や使用感、難易度等について面接調査を実施する。これらの結果をもとに介入方法や内容を精査し、プログラムを洗練させる。最終的に、完成したプログラムを大学生に実施し、抑うつ軽減効果が得られるか検証する。 また、最終年度に向けて、これまでの研究成果をまとめることで学生支援の一手法として提案できるようにする予定である。
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