研究課題/領域番号 |
19K14410
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村椿 智彦 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70741007)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / マインドフルネス瞑想 / 脳波 / 機械学習 / マインフルネス / マインドフルネス / 消化器症状 / ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)は代表的なストレス関連疾患である。IBSは脳波のα-power減衰とβ-power増強があり,ストレス関連ペプチドであるCRH拮抗薬投与により,脳波異常が正常化するとともに消化器症状が改善することが報告されている。近年,IBSの消化器症状や精神症状の改善に,マインドフルネスに基づく心理療法が注目されている。マインドフルネスは,健常者においてα-powerとθ-powerを増強させることも報告されている。そこで,本研究では,IBS患者に対してマインドフルネス瞑想を実施し,IBSにおける自覚ストレスおよび消化器症状が脳波の正常化を伴って改善することを検証する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、本研究のパイロットデータである過敏性腸症候群患者(IBS)15名と健常者15名を対象にマインドフルネス瞑想を単回試行したデータを用いて、機械学習により両群の脳波を識別および瞑想の有効性を検証した。脳波は国際10/20法に従い、Fp1、Fp2、Fz、Cz、Pzの位置で測定した。ベースラインの順応期,呼吸瞑想を実施した瞑想期、瞑想後の回復期の生データ各10分について、0.5-45Hzの部分を離散ウェーブレット変換し、10秒ごとにスペクトル解析した。そこで得られた抽出データを入力としたBidirectional Long Short-Term Memory(Bi-LSTM)とConvolutional neural network(CNN)の2種類の機械学習の手法を学習に使用した。全データを7:2:1に分割し、データは訓練データを100個に分割し、その中でランダムに訓練データとテストデータに分けて学習し、150回繰り返した。Bi-LSTMの結果、訓練データでは急激に正答率が上昇したのに対し、真の検証データではIBSと健常の識別正答率が低くなり,過学習の可能があった。また、順応期、瞑想期、回復期での脳波を両群の判定した結果も真の検証データでは正答率が低く、各期での正答率の違いは見られなかった。そのため,マインドフルネスが脳波に与える影響は検討できなかった。CNNの結果、真の検証データの群と条件(各期)を識別する正答率は1/6で、学習が反映されていなかった。昨年度のLong short-term memory (LSTM) の結果より精度が低く、離散ウェーブレット変換あるいはBi-LSTMは今回のデータに不適だった可能性がある。今後はサンプルサイズや、スペクトル解析をする時間幅、入力データの形式を変えて最適な手法を検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大による影響と、教育および臨床の業務が増加し、研究遂行に当てる時間を十分に設けることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続きパイロットデータの解析を進めるとともに、本検査を試行する予定である。
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