研究課題/領域番号 |
19K14411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
慶野 遥香 筑波大学, 人間系, 助教 (10633224)
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研究期間 (年度) |
2020-02-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心理職の職業倫理 / 倫理的困難 / 職業倫理教育 / 発達的変化 / 心理職 / 職業倫理 / 臨床心理学 / 心理援助職の倫理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2つの研究を通して、実践に役立つ心理援助職の倫理教育のあり方に関する基礎的知見を得ることによって、心理援助職の倫理性向上に貢献することを目指す。 研究1は、心理援助職が現場で経験する倫理的困難の実態を把握する調査を行い、先行研究との比較や特徴の明確化を行う。現在、心理援助職の資格制度や社会的情勢が大きな変化 の時期にあり、どういった倫理的困難が問題となっているかを知る必要がある。 研究2では、倫理的意思決定にかかわる能力を測定する海外のツールを翻訳して日本語版を作成し、訓練中の学生及び実践経験のある心理援助職への横断的調査によって、発達的変化を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、実践に役立つ心理援助職の職業倫理に関する基礎的知見を得ることによって、心理援助職の倫理性向上に貢献することである。具体的には、心理援助職の倫理的困難や職業倫理経験に関する実態を明らかにする研究(研究1)と、心理援助職の職業倫理に関する発達的変化を明らかにする研究(研究2)で構成されている。 研究1に関しては、2020年度に実施した心理援助職の倫理的困難と職業倫理教育経験に関する調査のうち、職業倫理教育経験と職業倫理に関する自己評価との関連を検討した論文が、雑誌『臨床心理学』に掲載された。この論文では、①若い世代ほど大学・大学院で職業倫理教育を受けている比率が高く、倫理教育が充実してきていること、②職業倫理に関する自己評価は、大学・大学院での職業倫理教育の経験とは優位な関連が見いだされず、心理援助職は実務経験や卒後の学びの中で職業倫理の知識や倫理的困難への対処の自信を高めていくこと、が示された。また、同調査のうち、心理援助職の倫理的困難に関する項目も、2021年度に行った学会発表のデータを加筆修正し、成果公表に向けて準備を進めた。 研究2は、2022年度に計画・実施したインタビュー調査を継続実施した。この調査は心理援助職の職業倫理に関する発達的変化を探索的に明らかにすることを目的としたもので、実務経験のある臨床心理士や公認心理師を対象として実施している。2022年度は8名にインタビューを行っていたが、2023年度は調査協力者の経験年数や活動領域のバランスを考慮しつつ、追加で6名に実施した。調査自体は終了し、現在研究成果公表に向けて、データ分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究1の結果を受けて研究2の調査方法を変更したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う日常業務の負担増、および調査手続きの困難により、全体として研究計画が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
研究1に関しては、心理職の倫理的困難に関する調査の成果公表に向けた作業を引き続き継続する。 研究2に関しては、インタビュー調査のデータ分析を行い、結果をまとめて公表する。
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