研究課題/領域番号 |
19K14420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
白石 直 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30632989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 家族介入 / 尺度開発 / 精神病性障害 / ポジティブ感情 / 介護負担 / 首尾一貫感覚 / 統合失調症 / 共分散構造分析 / Protocol registration / 尺度特性 / 妥当性 / 信頼性 / バックトランスレーション / 介護の肯定的側面 / 家族介護者の感情 / 評価尺度 / 精神障害 |
研究開始時の研究の概要 |
患者と家族が病を乗り越えて成長する鍵は、介護の肯定的側面の解明にある。研究代表者は、重症精神病が家族に及ぼす影響を調査した質的研究の系統的レビューを行った。その結果、介護の肯定的側面を中心とする曼荼羅様過程を世界で初めて概念化した。これら研究成果から、応募者は介護に関連した家族のポジティブ感情こそが患者をリカバリーに導くと考えた。本研究では、重度精神障害者の介護に関連した家族のポジティブおよびネガティブ感情を、介護過程の曼荼羅的理解のもと、評価する新たな尺度を作成して信頼性と妥当性を検証する。並行して、介護の肯定的側面を高め患者のリカバリーの促進に波及する家族療法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究で開発したケア関連感情評価尺度のポジティブ感情下位尺度は、二つのネガティブ感情下位尺度とともに良好な構造的妥当性を示した。また、前者のCronbachのα係数は0.92、後者のものは0.93および0.95と十分な内的一貫性を示した。 さらに新規介入の着眼点を明らかにするため、精神病性障害の患者と兄弟姉妹の続柄にある家族を対象とし、患者の機能障害と家族のネガティブ・ポジティブ感情の介在因子としての介護負担および首尾一貫感覚の役割を共分散構造分析により検討した。その結果、兄弟姉妹を感情面で支援するためには、介護負担と首尾一貫感覚の両方に焦点を当てたアプローチが有効であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感情は、個人の主観的な苦痛や苦悩を規定する重要な内的体験であるが、統合失調症を始めとする重度精神障害者のケアに関連して家族が抱く感情のネガティブおよびポジティブ両面からの総体的な評価はほとんど行われていない。本研究は、重度精神障害者のケアに関連した家族の感情を評価できる新規尺度を作成し、その信頼性・妥当性を検証して実用化することで、ケアのどのような側面が家族に不安や怒り、抑うつなどの感情を引き起こすかを明らかにし、新たな介入の着眼点を明らかにする社会的な意義を有した。
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