研究課題/領域番号 |
19K14422
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 十文字学園女子大学 (2022) 県立広島大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
笹倉 尚子 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 准教授 (00800913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 心理臨床 / 思春期・青年期 / ポップカルチャー / サブカルチャー / 漫画・アニメ・ゲーム / カウンセリング / プレイセラピー / 心理支援 / 漫画・アニメ / ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
ポップカルチャーを活用した心理支援とはどのようなものか。思春期・青年期を対象とした心理支援において、漫画やアニメ、ゲーム等のポップカルチャーの話題が有効な資源となることは、既に国内外の事例研究によって指摘されている。一方でそのような支援の方法について、調査により実証的に明らかにした研究は少ない。 本研究では、カウンセラーがポップカルチャーの話題をどのように扱うことが有効な心理支援につながるのかについて、カウンセラーを対象としたアンケート調査とインタビュー調査を実施し、その具体的な「聴き方」を明らかにする。その結果をもとに、ポップカルチャーを活用した心理支援モデルを構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、カウンセラーが心理支援のなかでゲームやアニメといったポップカルチャーをどのように活用しているのかを明らかにすることを目的として実施された。まず98名のカウンセラーを対象にしたアンケート調査からは、ほぼすべてのカウンセラーが心理支援でポップカルチャーの話題に遭遇した経験があることが示された。そしてそれらを関係づくりやクライエント理解、リソースの拡大へと活用しようとする姿勢が見出された。 次に20名のカウンセラーを対象としたインタビュー調査からは、ポップカルチャーの話題に表現されたクライエントの理解について、関係者とのコンサルテーションに用いるなどの具体的で多彩な活用方法が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポップカルチャーを心の支援に活用することは可能なのか。可能ならどのような活用方法が存在するのか。現代日本において、ゲームやアニメといったポップカルチャーは娯楽とみなされ、それらの話題は「雑談」として括られがちである。しかしながら、一部のカウンセラーはポップカルチャーの話題を「関係づくり」や「クライエントの理解」、「リソースの拡大」、さらには「関係者とのコンサルテーション」にまで活用していることが明らかとなった。好きなものの話題を自由に話せる安心感は、次第に自分自身への洞察や苦悩の語りへと発展する可能性をも秘めている。これは現代の若者への心理支援のあり方を更新する研究結果であると言えるだろう。
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