研究課題/領域番号 |
19K14441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 (2021-2023) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
砂川 芽吹 (縣 芽吹 / 砂川芽吹) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (70823574)
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研究期間 (年度) |
2020-02-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 女性 / 社会適応 / カモフラージュ / 適応行動 / 発達障害 / 質的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の女性は,表面的には対人コミュニケーションスキルを獲得し,社会生活において一見問題がないように見えることも少なくない。しかしながら,日々の生活に目を移すと,女性に対する社会的期待や社会的要請について障害特性から困難に直面することが多いと考えられる。よって,本研究ではASDの女性の「社会適応」に着目し,女性として生きる日々の生活に即した困難を明らかにしたうえで,ASDの女性のライフサイクルに沿った具体的な支援のあり方を検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,自閉スペクトラム症(以下,ASD)の女性の「社会適応」について,当事者の認識と具体的な適応行動について検討した。本研究を通して,ASDの女性は社会に適応するための意識的・無意識的な適応行動をとる一方で,日々の生活の安定を維持するために,社会との折り合いをつけながら生きていることが示唆された。また,社会適応のあり方は,性によって異なる社会的期待や,ライフステージ等の違いが影響していると考えられた。これらを踏まえて支援においては,ありのままの自分が受け入れられる環境の重要性に加えて,当事者に変容を求めるのではなく,周囲の環境を含めた社会が変わっていくことの必要性が指摘された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義として,まずASDの女性に着目した点があり,ASDの女性の「社会適応」について,従来の男性ベースの理解とは異なる困難と支援のニーズを示した。さらに本研究では,ASD女性の日常における「社会適応」という,より当事者の日々の生活に即した具体的な困難について,インタビュー調査を通してボトムアップに取り上げ,当事者の日々の生活で感じている困り感をリアリティの高い形で理解し,本当に必要としている支援への示唆を得た。最後に,ASDの支援においてはライフステージを通じた支援が重要性であり,本研究では成人期の女性に必要な支援モデル構築に向けた具体的な知見となり,臨床的な意義があると考えられる。
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