研究課題/領域番号 |
19K14444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 (2020-2022) 金沢大学 (2019) |
研究代表者 |
稲田 祐奈 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (40835154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 嗅覚検査 / 幼児 / ニオイ同定 / 自閉スペクトラム症 / ASD児 / 同定 / 言語発達 / におい同定 |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚異常や嗅覚低下は認知症で認められるが,自閉スペクトラム症(以下,ASD)のように幼少期から嗅覚に困難を伴う疾患が存在する.そこで本申請では,幼児の嗅覚検査の開発を試みる.しかし一から開発するのではなく,既存の成人用嗅覚検査の方法を幼児向けに改変することによって,実用的かつ,最速の完成を目指す.また,成人用検査を幼児に適用する際に問題となる「言語力の乏しさ」を解消する手続きを追加する.さらに,ASD児に同検査を実施し健常児と比較することで,ASD児の嗅覚力の特徴を検討する.また臨床現場での実施に不可欠な手続きの簡便さ,所要時間の短縮化など本検査の実用性の点についても検討する.
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研究成果の概要 |
本研究では、日本人用の成人用嗅覚検査の手続きを追加・改変することで、日本人幼児向けの嗅覚検査を開発することを目的とした。本研究では言語発達レベルも考慮し、言語を含む発達検査や児の経験を測定し、それらと嗅覚検査の関連も明らかにしようと考えた。検討1では4-6歳の健常児を対象として、検査が幼児に実施可能であるかを検討するため、84名のデータを取得し、手続きの追加・改変によって成人用嗅覚検査でも幼児に適用可能であることを示した。検討2では、自閉症スペクトラム(ASD)児を対象として、同検査が実施可能であることを確認したと同時に、ASD児の嗅覚力の困難さを検出できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、成人用嗅覚検査でも幼児の嗅覚同定力を測定できる可能性が示唆された。これまで日本人幼児向けの嗅覚検査がなかったことから、本研究で使用したにおいスティックOSIT-J並びにOpen Essenceが幼児にも使用でき、健常児では成人の約半分の正答が可能であることを示すことができた。また同検査はASD児でも実施可能であった。さらには他指標との比較により、嗅覚同定力が発達レベル(特に言語力と社会性)と相関することから、簡便に嗅覚力を測ることが、言語力や社会性レベルのスクリーニングにもなる可能性があると考えられる。
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