研究課題/領域番号 |
19K14449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高垣 耕企 広島大学, 保健管理センター, 助教 (80790584)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 大学生 / 抑うつ症状 / 行動活性化 / 抑うつ / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
大学生は、入学に伴って一人暮らしの開始や交友関係など環境が大きく変化し、うつ病を経験する可能性の高い時期と考えられている。そして、この時期にうつ病を発症すると慢性的な経過をたどり、対人関係の困難や、学業成績の低下、自殺率の増加などの否定的な結果に至ることが多いと指摘されている。そのために、保健管理センターなどの大学機関での早期対応が必要である。そこで、本研究では、まず調査研究によってうつ病を有する大学生の特徴を検討する。次に、効果的な治療法の検証を行い、うつ病を有する大学生に対するエビデンスベースに基づいた治療法の確立に向けた新たな知見を提供することを目指した研究である。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、抑うつ症状を有する大学生の特徴を明らかにし、うつ病の基準に当てはまる大学生を対象に単純行動活性化を実施し、その効果を検証することであった。結果では、①カウンセリングを受けていない大学生のうち、37.57%の大学生が高い抑うつ症状を有していることを明らかにした。②縦断的研究から、閾値下うつからうつ病への変化には回避行動や反すう、セルフ・コンパッションのIsolation得点の増加が関連することを示した。③縦断的データから、単純行動活性化モデルの妥当性を示した。④うつ病の診断基準に当てはまる5名を対象に、単純行動活性化を実施したところ、5週間後の抑うつ症状は有意に改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大学生は、入学に伴って一人暮らしの開始や交友関係など環境が大きく変化し、抑うつ症状を経験する可能性の高い時期である。しかし、大学では悩みを抱えながら相談に来ない学生への対応が課題になっている。 本研究では、まず抑うつ症状を抱えながら相談に来ない学生の割合を示すことができた。そして、閾値下うつからうつ病への悪化要因を特定し、簡便な心理的な介入法の有効性を示した。これらの結果は、悩みを抱えながら相談に来ない学生に対して、大学で実施可能な支援につながる重要な知見を示すことができたと考えられる。
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