研究課題/領域番号 |
19K14454
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上野 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00760589)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 内受容感覚 / 身体症状症 / 心拍カウント課題 / 磁気共鳴機能画像法(fMRI) / 身体と脳 / 予測的処理 / 高齢者 / 脳機能結合 / 身体と感情 / 予測符号化 / 予測誤差 / 予想誤差 / 計算論 / 計算論モデル / 身体症状 / 計算論的精神医学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、予測的符号化に基づき身体症状症患者における内受容感覚の予測誤差に着目し、内受容感覚の「予測誤差の修正困難さ」を測定する課題を作成し、身体症状症の評価指標を開発することを目的とする。本研究課題では、健常若年者、健常高齢者、身体症状症患者を対象に計算論アプローチに基づき身体症状の内受容感覚モデルを解明し、本研究課題終了後には開発したモデルに基づいた身体症状症の査定方法や生理心理学的介入法を開発する。
|
研究成果の概要 |
身体症状症は,自覚症状に見合う身体的異常がないにも関わらず,痛みや違和感等の身体症状が長期化する精神症状である。近年,心拍や呼吸といった身体内部の感覚である内受容感覚が身体と脳をつなぐ信号となり,痛みや違和感も含めた様々な感情を生み出していると考えられている。本研究課題では,内受容感覚を正確に知覚できるようになる程度を測定する課題を作成した。また,身体症状症患者は内受容感覚を正確に知覚できるようにはならず,その困難さと関連する脳機能結合も明らかになった。さらに,その困難さと身体症状症の重症度にある程度の関連性はみられたが,今後データ数を増やして,その精度を確認する必要がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身体症状症とは,患者の訴えに見合う身体的異常がないにも関わらず,痛みや違和感等の様々な苦痛を伴う身体症状が長期に持続する精神症状である。近年提案されている内受容感覚の予測的処理モデルによると,身体内部の生理的状態に対する知覚である内受容感覚が感情や意思決定を創発し,調整していると考えられている。内受容感覚の予測的処理モデルは,感情や意思決定の基礎的機序のみならず,様々な精神神経症状を説明する理論としても注目されている。内受容感覚の予測的処理モデルに基づいた本研究は,身体症状症の病態理解や身体症状症の診断及び治療に貢献する可能性がある。
|