研究課題/領域番号 |
19K14457
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 弘前大学 (2022-2023) 帝京平成大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
井上 直美 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (50815917)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 減弱精神病症候群(APS) / R-PAS / ロールシャッハ・テスト / 社会機能 / 対人知覚 / サイコーシスリスクシンドローム構造化面接 / 減弱精神病症候群 / 陰性症状 / 陽性症状 / 社会的認知 / 援助要請行動 / サイコーシス・リスクシンドローム / R-PAS-PD / 精神病状態 / 初回エピソード精神病 / 早期発見・早期支援 / サブタイプ |
研究開始時の研究の概要 |
減弱精神病症候群(Attenuated Psychosis Syndrome; APS)は、統合失調症や双極性障害などの精神病の発症危険性を、より早い段階で発見し、適切な早期支援に結びつけるために提唱された概念である。しかしながら、偽陽性の高さや、他の精神障害との合併率の高さなど非一様な症候群であることから、有効な心理社会的支援技法の確立には至っていない。 本研究では、APSの多様な病態像を、心理検査のR-PAS(Rorschach Performance Assessment System)を用いてサブタイプ化し、各類型の特性や強みに応じた心理社会的支援技法の開発につなげることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は,北海道の医療機関にてR4年度以降に取得したデータの分析を行い,その成果を第14回国際早期メンタルヘルス介入学会(14th International Conference on Early Intervention in Mental Health,2023年7月,ローザンヌ,スイス)において発表するなど,研究期間を通じて初めて海外での国際学会に対面で参加し,他国の研究者らと情報交換をすることが出来た。データの分析結果からは,通院中の14歳~35歳の患者167名のうち,サイコーシスリスクシンドローム構造化面接(SIPS/SOPS)によって減弱精神病症候群(APS)の診断名が新たに付いた患者は9名であった。これらのAPS患者の年齢は全員が18歳以下であり,14歳が4名と最も多く,次に15歳が3名であった。さらに,APSの診断名のついた9名のうち,自閉スペクトラム症(ASD)の併存疾患を有する者が約半数(4名)いた。また,学校での対人関係の問題を主訴として受診した患者が6名,家庭での虐待や暴力などを主訴とする者が2名いた。 本年度の成果と,これまでの研究期間を通じて,以下のことがより明らかになった。 1) ロールシャッハ・パフォーマンス・アセスメント・システム(R-PAS)の結果からは,APSに共通するパーソナリティ機能として,対人知覚の歪みと社会機能の低さが明らかになった。 2) APSの先行研究の多くは,15歳以上を対象に実施されてきたが,日本においては中学入学後の13歳あたりからの精神的不調がAPS発症につながる場合が多い。 3) 学校での対人関係のトラブルから精神的不調をきたし,メンタルクリニックの受診につながるAPS患者が多い。 4) APSの併存疾患としては,ASDが最も多い。
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