研究課題/領域番号 |
19K14462
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 武庫川女子大学 (2022) 京都文教大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
茂本 由紀 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (60823242)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 漢字迷路課題 / 抑うつ的反すう / 関係フレーム理論 / 関係フレーム反応 / 抑うつ / ポジティブ語 / 認知行動療法 / アクセプタンス & コミットメント・セラピー / 脱フュージョン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は1)抑うつ的反すうに対する脱フュージョン手続きの効果を検討し,2)脱フュージョン手続きの効果測定法を開発し,その妥当性を検討することである。本研究では,うつ病の発症および維持要因となっている抑うつ的反すうへの有効な介入手続きの確立と,臨床的に有用なアセスメント方法を確立するため,研究を実施する。1年目と2年目は、目的1に関する研究を実施し、3年目と4年目は目的2に関する研究を実施する。
|
研究実績の概要 |
本年度は、これまでの研究をまとめた研究内容の公表と実験実施のための最終準備を実施することに注力した。これまで研究した内容は、抑うつに対する心理療法の効果を漢字迷路課題を用いて検討するというものであった。これまでの研究では、Acceptance & Commitment Therapyのコア・プロセスの一つである脱フュージョンが、抑うつ的反すうに効果があるかを検討した。脱フュージョンは、思考を思考としてとらえることを促すことで、思考と距離をとることを可能とする。そのため、抑うつ的反すうという思考への没入を脱フュージョンにて弱めることが可能かを開発した漢字迷路課題を用いて検討した。今年度は、これまでの研究内容をまとめ、論文化し、Journal of Contextual Behavior Scienceに投稿した。論文は、現在、審査中である。 同時に、刺激と刺激の関係づけの程度を測定するための漢字迷路課題の開発研究として、今年度は実験実施の準備を進めた。これまでの漢字迷路課題では、ネガティブ語への反応時間と中性語への反応時間の差分値を計算するという仕組みでプログラムされていた。しかし、研究の結果、ポジティブ語への反応にこそ抑うつ者の思考の特異性が現れる可能性が示唆された。そこで、新しい漢字迷路課題では、ポジティブ語を課題の刺激に組み込むことで、抑うつ者のポジティブ語への反応も測定可能となるようにプログラムの設計を行った。今年度は、この新しい漢字迷路課題の妥当性を検討するための詳細な実験計画を立案し、その予備調査を本年度は実施した。予備調査の結果をもとに、漢字迷路課題および、妥当性検討のためのIRAP(Implicit Relational Assessment Procedure)の不具合を調整し、本調査への準備を整えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の進捗はやや遅れている。今年度の最初に所属変更があり、新しい所属先の学内の制度の理解や授業準備等の負担が予定よりも大きくなった。そのため、科研研究に割くことができるエフォートが少なくなった。そこで、今年度は科研費の執行額を減らし、次年度、エフォートを割くことができる状況となることを見越して、今年度は次年度の実験に向けた準備に注力した。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度までで、すべての準備は整ったため、次年度は倫理審査書類を提出し、審査が通り次第、実験を行う。今年度は、所属異動のため、科研研究へのエフォートも少なくなっていたが、次年度は現在の所属で2年目となるため、科研研究へのエフォートも今年度より大きく割くことが可能である。
|