研究課題/領域番号 |
19K14464
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 人間環境大学 (2022-2023) 福山大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
皿谷 陽子 人間環境大学, 心理学部, 助教 (50739761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 声かけ / 万引き防止対策 / 従業員 / 商業施設 / 万引き / 防犯対策 / 万引き防止 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今では,商業施設の従業員による「声かけ」により,従業員の万引き対策への意識の向上が認められているが,従業員の「声かけ」で,実際に万引き事案による検証をしている研究は少ない。本研究では,「声かけ」による万引き防止効果を従業員の「声かけ」研修やディスプレイ呈示による従業員の音声による方法等で検証し,万引き防止対策としての「声かけ」の効果的導入を提案できるようにすることを目的とし,調査と実験を行う。
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研究実績の概要 |
2019年に実施した万引き防止対策「声かけ」の媒介の違いによる印象評定についての予備実験の追加分析を行った。万引き防止対策「声かけ」を施した場合の実験群(声かけあり)と対策なしの場合の統制群(声かけなし)の周囲に注意を払うしぐさの回数に違い及び,両群において,実験室での滞在時間や商品を隠匿するまでの時間,行動を躊躇するようなしぐさを探索的に検証した。その結果,Dabney et al.(2004)が示した万引き犯がとる行動(①商品の隠蔽を可能にする服装,②バックなど商品を隠蔽する際に使用できそうなものを所持している,③万引き防止対策について辺りを見渡すこと,④商品のアイテムからパッケージを変更または排除すること。本研究においては,③万引き防止対策について辺りを見渡すことを,周囲に注意を払うしぐさとして捉えた。)が本研究での模擬万引き課題時でも確認できた。これより,所有物でない物を搾取するという行為の際は,何かしら周囲が気になり,周囲を見渡す行動をとることが確認できた。また,声かけがためらい行動の増加と相関することが明らかになった。 万引き防止行動促進要因の探索的検討として、従業員裁量による職務行動と防犯意識及びホスピタリティ,職務満足感の関係についてWeb調査を実施した。正社員,パート・アルバイトの相関分析の結果,店舗内防犯意識,従業員裁量の万引き防止行動,声かけ行動と職場環境,職務内容,給与に関する満足感測定尺度,日本語版組織市民行動尺度,サービス化した組織における成員裁量の職務行動尺度には,正の相関がみられた。このことから,店舗での防犯対策行動を行う従業員の防犯意識が高いことと,その他の従業員裁量の職務行動も行っていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度にWeb調査での業種の違いによる万引きされやすい商品の調査を行い,現在も分析を行っている。さらに,万引き防止研修会(協力警備会社の研修)を受講している商業施設の従業員とその他の従業員(Web調査)のアンケート比較を行う予定である。また,2022年度は万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験及び現場での実施を計画していたが,2021年度より新型コロナウィルス (COVID-19)の影響を受けた。現時点では緩和されつつあり,2023年度に実施する予定であったが,COVID-19の影響により対人に対する実験調査の調整が整わず実施は難しかった。そのため,2024年度に実施形式を画像および動画の視聴による場面想定法による実施を計画している。 上記の理由より,進捗状況として「遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に実施した店舗内犯罪の防犯行動尺度,防犯意識尺度の従業員比較は引き続き分析を行う。実施計画の変更として,2019年度に行う予定であったWeb調査での業種の違いによる万引きされやすい商品や店舗での万引き対策,個人で意識して行っている店舗での防犯対策についての調査,店舗内防犯機器・対策の特徴の洗い出しを行うためWeb調査を2021年に実施した。その分析を引き続き行う予定である。また,万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験については,画像および動画の視聴による場面想定法による実施を計画する。
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