研究課題/領域番号 |
19K14467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
中嶋 愛一郎 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 研究生 (40838968)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 認知行動療法 / 周産期 / 父親 / 産後うつ / メンタルヘルス / テキストメッセージ / ウェブサイト / RCT / 予防 / インターネット / セルフヘルププログラム |
研究開始時の研究の概要 |
女性の産後うつの問題は非常に重要であるが、近年、男性も周産期にメンタルヘルス不調が生じやすいことがわかってきた。父親のメンタルヘルス不調は、母親の産後うつ病や児童虐待、自殺との関連が示されており、重大な課題である。しかし現在、父親の周産期メンタルヘルス不調への介入はほとんどない。私の所属する研究チームは、認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy; CBT)の研究を幅広く精力的に進めてきた。本研究では、CBTスキルをベースに、父親の産後うつ病の予防を目的としたウェブサイトコンテンツとテキストメッセージングによるセルフヘルププログラムの開発を目標とする。
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研究成果の概要 |
認知行動療法のスキルを周産期の両親に届けるためのウェブサイトを作成した。特定非営利活動法人きずなメール・プロジェクトと連携し、周産期の父親のメンタルヘルス不調を予防するためのテキストメッセージを開発した。 開発したウェブサイト・テキストメッセージの効果検証を行った。テキストメッセージを送付する群としない群に1対1で割付をした。1310人が参加し、952人が最後のアンケートまで回答した。主要評価項目の父親のGeneral Health Questionnaire-12 (GHQ-12)には差がなかった。高ストレス群では、GHQ-12のスコアが有意に低下する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周産期は父親も母親と同程度にメンタルヘルス不調を感じる。しかし、現在はまだ十分な注目をされておらず、介入についての調査・検討はほとんど行われていない。その理由の一つとして、父親が検診などの機会に医療者と会う頻度が母親に比べて少ないことが挙げられる。本調査では、対面での介入が難しい父親に対して、テキストメッセージでのサポートが、特に産前にメンタルヘルス不調を強く感じている場合に有効である可能性を示した。一方で、主要評価項目については群間差はなく、明らかに効果がある介入であるとは言えない。本調査の結果をもとに、周産期にメンタルヘルス不調を感じる父親への介入についてさらに検討されることが望ましい。
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