研究課題/領域番号 |
19K14468
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 真里子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (40608436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日英バイリンガル / L2単語処理 / 中日バイリンガル / メンタルレキシコン / 日本語学習者 / 日本人英語学習者 / バイリンガル / マスク下のプライミング / 語彙表象 / 単語認識 / 英語 / 日本語 / 脳内辞書 / 第二言語 / 単語表象 / プライミング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 日英バイリンガルという, 第一言語と第二言語の表記形態が異なるバイリンガルを対象として, 第二言語である英語の単語が彼らの頭の中の辞書[脳内辞書]にどのような形で表象/処理されているのかを言語心理学の手法を用いて明らかにするものである。これまでの研究により, 日英バイリンガルが英単語を処理する方法は, 従来のバイリンガル研究によって想定されていたものと質的に異なる側面があることがわかった(Nakayama & Lupker, 2018)。今研究では, 日英バイリンガルの英単語処理のどの側面が特異的なのか, また, なぜ特異的なのかという2つの問の答えを明らかにするために行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本語を母語とし、第二言語として英語を取得した日英バイリンガルを中心とした後期バイリンガル(late bilinguals)の脳内表象のうち、L2語の表 象と処理プロセスに焦点を当て、その表象/処理システムが第一母語話者とそれと同等なのか、それとも異なる点があるのかという疑問を言語心理学・実験心理 学の手法を用い検証するものである。また、日英バイリンガルのL2単語処理についての普遍性や特異性を検証するため、日本語をL2としバイリンガルのL2日本語 表象についても研究を行っている。
本年度は、昨年度日英バイリンガルのL2英単語の認識のうち、動詞の原形―過去形の形態素の表象の発達を検証した実験の投稿論文について、改稿再投稿し採用となった(国際誌)。 昨年度から引き続き進めていた中日バイリンガルのL2日本語表象の研究についても、改稿再投稿し採用となった(国際誌)。昨年度、推進していた日本語をL2とするバイリンガルのL2文字コーディングについては、2月の国際学会で研究成果を発表した。新規の実験として、本年度は、日英バイリンガルのL2文字表象について追加のデータ収集を行い、最新の基準を満たす統計検定力(Statistical Power)を担保した。来年度における論文投稿を目指す。また、L2形態素の表象発達についてさらなる検証を行うべく、より英語力の低い被験者を対象にデータ収集を行ったところ、使用刺激の変更の必要性が確認されたため、それを受け刺激作成チェックを再度行っている。最後に、中日バイリンガルのL2日本語表象の仕組みについても今後さらなる実験検証を行う準備を整えそのうち一部のデータ収集を終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までにゆっくりであるが進めてきた研究プロジェクトが実を結び、国際誌から論文が発表され、また新規のプロジェクトに関してもその実験結果を国際学会で発表することができた。さらに、以前より制約が少なく比較的被験者の確保が容易となったとこから、データ収集も思った以上にスムーズに行うことができた。また、ピアレビューにおいても、査読時間がコロナ禍に比べ通常レベルに戻ってきており、それも成果の公表のタイミングに良い影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、社会がさらにコロナとの共存というアプローチに変化することから、データ収集やその他研究活動がコロナ以前の水準にさらに戻ることが予測される。とはいえ、感染自体は今後も起こるため、データ収集を迅速に行いつつも、被験者・実験者ともの体調を最優先し、また感染対策もぬかりなく続けていきたい。 実験の内容に関しては、研究テーマに沿いつつ、これまでの研究成果から生まれた新たな疑問の検証、また、継続トッピクに関してもさらなる追求を行っていく予定でいる。
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