研究課題/領域番号 |
19K14480
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2020-2022) 帝京大学 (2019) |
研究代表者 |
古野 公紀 立命館大学, 総合心理学部, 助教 (60533578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 強化スケジュール / ハト / ヒト / オペラント / 機能 / 形態 / オペラント行動 / ビデオトラッキング / ベイズ統計モデリング / 空間的特性 / 空間的次元 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含む様々な動物の行動に関する従来の研究では,環境の変化に対して行動の起こりやすさがどのように変化するのか,という点に焦点が当てられてきた。しかしながら,動物を取り巻く環境においては,行動の速さ,強さ,あるいは距離など,起こりやすさ以外の物理的特性が重要な意味を持つ場合もある。本研究は,ヒトや動物の行動における様々な物理的特性(主に空間的特性)を測定し,環境の変化によってこれらがどのように変化するのか,という点を明らかにすることを目的とする。本研究は行動の原理に関する基礎的研究であるが,得られた知見は臨床や教育など様々な場面に応用できると考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究は「行動の形態と機能に関する実験的分析 -形成と変容過程-」という課題名のもと,ヒトおよびその他の動物の行動における様々な物理的特性を測定し,環境の変化によってこれらがどのように変化するのか,という点を明らかにすることを目指している。そのために,1)従来の研究で多用されてきた強化スケジュールにおけるオペラント行動の様々な物理的次元の特徴を明らかにすること,2)それらの行動次元を予測する定量的モデ ルを構築すること,の2つを目的とした。具体的には,ハトおよびヒトの操作体に対するオペラント行動の位置や距離,および操作体に向かうまでの動きの軌跡など,主に空間的な次元を解析する。さらに得られたデータに基づき,ベイズ的アプローチによる数理モデルを構築する。 以上の目的のもと,2021年度ではハトを対象に4つの基本強化スケジュール(固定比率,変動比率,固定時隔,変動時隔)がハトのキーつつき反応およびそれ以外の行動(移動行動)に及ぼす効果について検証するための実験を開始し,2022年度に終了した。本実験では,キーつつき反応の他,実験箱内の移動行動についてビデオカメラにより測定した。現在は,得られた画像データについてビデオトラッキング技術を用いて解析し,つつき反応と移動行動との関係について強化スケジュール間の差異を検出すべく分析を行っている。 現在のところ,反応位置を指標とした実験は2021年度にLearning and Motivation誌において出版され,トラッキングデータを使用した実験は,日本行動分析学会第39大会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度まで行っていた変動時隔強化スケジュール下における反応位置の変動性に関する研究結果は論文にまとめ,Learning and Motivation誌において出版された。 2020年度の後半において,基本となる強化スケジュール下でのハトのつつき反応におけるハトのつつき反応と移動行動を検証するための実験を開始した。2021年 度中での終了を予定していたが,度重なる実験装置の故障や不具合により実験が中断したため,2022年度まで継続した。 以上のように,実験の進行が予定よりも遅れていることから,この評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
ハトを対象とする実験はすべて終了し,2023年度前半までに論文として投稿する予定である。 現在はヒトを対象とした実験の準備をしている。倫理審査は承認済みであり,実験プログラム等の完成と参加者の募集が完了し次第,実験を2023年度前半までに実施する予定である。
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