研究課題/領域番号 |
19K14483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 (2021-2023) 人間環境大学 (2020) 愛知淑徳大学 (2019) |
研究代表者 |
蔵冨 恵 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (00782286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 内発的動機づけ / 認知的制御 / 好奇心 / 接近動機づけ / 回避動機づけ / 認知的労力 / 視覚的注意 / 動機づけ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,内発的動機づけによって駆動する認知的制御メカニズムを明らかにすることである。課題文脈に応じて方略を調整する認知的制御は,金銭的報酬のような外発的動機づけによって駆動することが明らかとなってきた。しかし,課題そのものを楽しむといった内発的動機づけについては,認知的制御との関係性は検討されてこなかった。そこで,知的好奇心を誘発するパラダイムによって,内発的動機づけを操作し,その課題に対する動機づけが駆動させる認知的制御メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,課題に対する内発的動機づけによって駆動する認知的制御メカニズムを明らかにすることであった。内発的動機づけとは,知的好奇心のように,その行動そのものが楽しいからといった内発的に生じる課題に対する動機づけである。認知的制御とは,状況に応じて,課題方略を調整する能力のことである。本研究ではこれらの相互作用を検討してきた。今年度の予定は,(1)内発的動機づけを誘発した事態の認知実験の実施と(2)研究成果のまとめとして,研究発表および論文投稿に向けた追加実験の実施であった。 (1)昨年度までの研究成果として,トリビアクイズによって誘発される知的好奇心も,ブラー画像によって誘発される知覚的好奇心も,課題文脈に基づいた認知的制御が阻害され,特に,知的好奇心は文脈にかかわらず,競合解消を効率化することが示唆された。しかし,これらの結果は,競合を解消するという課題目標とは関係ない事態におけるものであり,課題目標には関係のない動機づけか,課題目標そのものの動機づけのどちらが影響を及ぼしているのかは明らかではなかった。そこで,本年度では課題目標そのものの内発的動機づけが認知的制御に及ぼす影響を検討した。その結果,課題に対する楽しさは認知的制御には影響を及ぼさないことが示された。したがって, 認知的制御は課題目標に対する動機づけというよりもむしろ,課題目標に近接する動機づけによって変調をもたらすことが示された。 (2)研究成果のまとめを学術論文に投稿する際に,知的好奇心の高低によって変動する競合解消メカニズムが,課題成績に随伴した報酬(トリビアクイズの解答)なのか,課題そのものの好奇心によって起因するのかが明らかではないため,課題成績に随伴しない報酬が競合解消に及ぼす影響を検討する実験を行った。これらの結果がまとまり次第,学術論文として,執筆,投稿する予定である。
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