研究課題/領域番号 |
19K14489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
杉本 光 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (00829822)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 会話 / 社会的比較 / 語彙 / 海馬 / 左中側頭回前部 / 記憶 / 実行機能 / 外側前頭前皮質 / 共感 / 報酬 / 内側眼窩前頭皮質 / 加齢 / MRI / 報酬/罰 / 社会的関係 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは共感によって他者の報酬や罰を自己の報酬や罰と同様に受け取ることができる。従来のヒト記憶に関する脳機能画像研究では、自己に対する報酬や罰によって記憶は促進されることが示され、その記憶の促進効果を媒介する脳内機構が明らかにされてきた。しかしながら、他者の報酬や罰に対する共感のような社会的能力によって影響を受ける記憶の神経メカニズムについては明らかにされてこなかった。本研究では、健常若年成人と健常高齢者を対象とする機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた実験によって、他者の報酬と罰に対する共感が記憶に与える影響に関連する神経基盤に対して「社会的関係」や「加齢」の要因が与える効果を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度の主な研究成果は以下の3点である。1点目は、グループ会話を利用した介入法の効果が左の前頭領域などの白質線維の微細構造にあらわれている可能性を示した論文が、加齢神経科学の国際学術雑誌に掲載されたことである。本研究では、介入後に取得した介入群と統制群の拡散強調画像を解析し、拡散異方性などの指標を群間で比較した。その結果、前述の領域などにおいて有意な差が認められた。2点目は、高齢者の社会的比較志向性が認知や脳の状態とどのように関連しているかを明らかにした成果である。社会的比較志向性とは、自己と他者を比較する心理傾向のことを指し、それには意見と能力の二つの次元があるとされている。本研究では、これら二つの次元についての主観的な度合いと、認知機能検査のスコアおよびMRI検査で測られる脳の様々な指標との間の関係を調べた。その結果、意見を比較する傾向が強い高齢者ほど、認知機能検査のスコアが高く、海馬の体積が大きく、安静時の機能的結合が強く、白質線維連絡の拡散異方性が高いことが分かった。一方で、能力を比較する傾向の強さとの間には、これらのような関係は見られなかった。本研究の成果をまとめた論文は社会神経科学の国際学術雑誌に掲載された。3点目は、話し言葉における語彙の豊かさと関連する脳の状態を明らかにした成果である。この研究では、語彙の豊かさを表す指標としてHeaps’ lawと呼ばれるスケーリング則の指数であるβを用いた。高齢者のグループ会話の録音データを基に個人のβの値を算出し、βとMRI検査で測られる脳の様々な指標との間の関係を調べた。その結果、βの値が高い人ほど、意味処理に関連する左中側頭回前部の体積が大きく、この領域とデフォルト・モード・ネットワークのコア領域である楔前部の安静時の機能的結合が弱いことが分かった。この成果をまとめた論文は神経言語学の国際学術雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる影響で、fMRI研究の進行に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、当初の計画通り、fMRI研究を速やかに実施することをめざす。
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