研究課題/領域番号 |
19K14496
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2022) 日本大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
柴田 康介 岡山大学, 自然科学学域, 特任助教 (60819671)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 特異点 / 代数幾何学 / 双有理幾何学 / 弧空間 / hyperquotient特異点 / 最小対数的食い違い係数 / PIA予想 / 下半連続性予想 / アークスペース / 商特異点 / ジェットスキーム / 可換環論 |
研究開始時の研究の概要 |
双有理幾何学の特異点を研究する際には双有理幾何学の特異点の不変量である最小対数的食い違い係数について研究することが重要となる。しかし、最小対数的食い違い係数を計算する例外因子の情報について適切な解析手法がないため、調べることが困難となってきた。本研究では双有理幾何学の特異点を可換環論の特異点の不変量と双有理幾何学の特異点の不変量の関係を調べることを目標とする。まずは、完全交叉の場合について可換環論の特異点の不変量と双有理幾何学の特異点の不変量の関係について調べ、そこから一般の場合について研究し、最後に可換環論の不変量の情報から最小対数的食い違い係数を計算する例外因子の情報を得る手段を研究する。
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研究実績の概要 |
これまで商特異点より広い特異点のクラスであるhyperquotient特異点について弧空間を利用して極小対数的食い違い係数の研究をしてきた。昨年度は群の作用が線形とは限らないhyperquotient特異点であり対数的端末特異点である場合についてPIA予想と下半連続性予想を示すことができた。今年度も昨年度に引き続き、中村勇哉氏と共同研究を行い、特に商特異点のGorenstein指数について研究を行った。 Gorenstein指数は特異点の不変量であり、極小対数的食い違い係数の値はGorenstein指数に依存していることが定義からすぐわかる。Shokurovはこの逆について予想している。つまりGorenstein指数は極小対数的食い違い係数に依存しているということを予想している。この予想はShokurovの指数予想と呼ばれ、今年度はこの予想について研究を行った。 これまでの私たちの研究により商特異点の場合は弧空間を利用し極小対数的食い違い係数を計算できることを示していた。このことを利用して商特異点の極小対数的食い違い係数を群の不変量により簡単に計算できることが分かった。さらに商特異点のGorenstein指数についても群の不変量で計算できることがわかっているため、このことを組み合わせることにより商特異点の場合にShokurovの指数予想を示すことができた。 また極小対数的食い違い係数の値が次元より一つ小さい値のとき、その特異点がGorensteinになるのではないかというShokurovの予想があり、この予想についても研究を行い商特異点のときについて示すことができた。 これらの研究結果は論文としてまとめ、ジャーナルに投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究を利用して応用としてShokurovの指数予想を示すことができた。 しかし対数的端末特異点でない場合の研究やこれまでの研究をさらに広い特異点のクラスへの一般化についてはまだできていないため、研究としてはやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのhyperquotient特異点の研究の一般化として2つの方針があり、1つはhyperquotient特異点とは限らない群が作用している特異点への一般化であり、もう1つはhyperquotient特異点のイデアルが群の作用で不変でない場合への一般化がある。今年度はこの2つの方針の一般化ができるかを考えていく。
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