研究課題/領域番号 |
19K14504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 九州大学 (2025) 東京大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
山岸 亮 九州大学, 数理学研究院, 助教 (00825630)
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研究期間 (年度) |
2025-01-21 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 正則シンプレクティック多様体 / 特異点 / モジュライ空間 / 表現論 / G-constellation / クレパント特異点解消 / シンプレクティック特異点 / 超曲面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では複素数体上で定義された代数多様体の持つ特異点、特にシンプレクティック特異点と呼ばれるものの性質を調べることを目的とする。シンプレクティック特異点とは非特異な部分に正則シンプレクティック構造の入った標準特異点であり、代数幾何学や複素幾何学のみならず表現論など幅広い分野においてよく研究されている。 本研究の大きな目的としては、シンプレクティック特異点の分類がある。また、クレパント特異点解消を持つようなシンプレクティック特異点の研究は表現論の観点からも重要であり、コンパクト正則シンプレクティック多様体の新たな例の構成も試みる。
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研究実績の概要 |
令和3年度は特に箙の表現から成るモジュライ空間の性質を調べた。このようなモジュライ空間は研究課題である正則シンプレクティック多様体を与える典型的な例であり、代数的な手法を用いて多様体の幾何学的性質を調べることが可能であると期待される。 より具体的な研究対象として、複素ベクトル空間 V に作用する有限群 G から決まる G-constellation のモジュライ空間というものについて詳しく調べた。これ自体は一般には(特異点を許した)正則シンプレクティック多様体になるわけではないが、シンプレクティック多様体への応用も期待される。 有限群 G がアーベル群の場合については、前年度から研究が引き続いており、その内容は論文にまとめられ、雑誌に掲載されることになった。その内容としては、モジュライ空間の候補となるような与えられた多様体 X (正確には、商特異点 V/G のクレパントな特異点解消)に対し、 X が実際に期待されるモジュライ空間としての構造を持つための条件を与えた。この条件とは、X 上の自然な G-constellation の族が存在し、その各ファイバーが G-constellation として(または箙の表現として)非分解可能であることである。 この証明では、モジュライ空間 X を構成する上で現れる安定性条件の空間から X のピカール群への良い性質を持った準同型があることを示し、これを具体的に記述した。これと同様の構成が G がアーベル群でない場合にも可能であることを示し、応用としてモジュライ空間がトーリック多様体への良い性質を持った埋め込みを持つことが示せた。これによってモジュライ空間の双有理幾何的な振る舞いがトーリック多様体と同様になされることがわかり、組み合わせ論的なアプローチが可能になった。
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