研究課題/領域番号 |
19K14507
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) 大阪大学 (2020) 京都産業大学 (2019) |
研究代表者 |
源嶋 孝太 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 特任講師 (20839196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 新谷関数 / ヒルベルトモジュラー形式 / 保型L関数 / 非正則保型形式 / 新谷リフト / 志村リフト / 三重積L関数 / Siegelモジュラー形式 / Siegel保型形式 / Murase-Sugano型ゼータ積分 / 保型L-関数 / 保型形式 / Rankin--Selberg法 / ゼータ積分 |
研究開始時の研究の概要 |
村瀬--菅野型のゼータ積分を用いた、次数2のジーゲルモジュラー形式に付随するスピンL-関数の研究を行う。 まず必要な局所新谷関数の明示公式を導出し、それを用いてゼータ積分を計算することで、スピンL-関数の新しい積分表示(村瀬--菅野型)を証明したい。さらに、スピンL-関数の村瀬--菅野型積分表示を用いて臨界値の数論性を調べられないか検討する。
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研究実績の概要 |
新谷関数は2つの簡約群上の保型形式に対して定義される特殊関数であり、特に、村瀬・菅野ゼータ積分による保型L関数の構成および、保型L関数の比較研究において重要な役割を果たす。 昨年度は、ヒルベルト保型形式と楕円保型形式に付随する新谷関数のみたす微分方程式を導出した。特に、その微分方程式の解を双曲線関数を用いて構成し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式に付随する新谷関数の明示公式を証明した。 また、ビアンキモジュラー形式と楕円保型形式に付随する新谷関数に対して、カシミール元の保型形式への作用から得られる微分方程式と、Kタイプの次元をずらすシフト作用素から得られる微分方程式を比較することで、そのような新谷関数が存在しないことがわかった。 今後は得られた新谷関数の明示公式を用いて村瀬・菅野ゼータ積分を計算し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式の間の関係式の導出を目指す。また、その関係式の応用として、ヒルベルトモジュラー形式の特殊値の研究を行っていきたい。 ヒルベルトモジュラー形式に関する研究の一環として、土居・長沼リフトのアデール的定式化に関する研究も行った。2次体の判別式について技術的な仮定が必要なものの、アデール群上の保型形式の言葉で、楕円モジュラー形式とヒルベルトモジュラー形式の間のリフティングを構成することができた。 今後は得られたリフティングについて、判別式に関する技術的な仮定を外せるか、土居・長沼リフトのノルムを保型L関数の特殊値を用いて表すノルム公式が導出できるかについて検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒルベルト保型形式と楕円保型形式に付随する新谷関数に関する重複度自由定理についてよく知られた結果があるが、今回得られた結果はその精密化にあたる。特に、どのような表現の対に対して重複度が0になるのかを明らかにできたという点で、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は昨年度得られた新谷関数の明示公式を用いて村瀬・菅野ゼータ積分を計算し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式の間の関係式の導出を目指す。また、その関係式の応用として、ヒルベルトモジュラー形式の特殊値の研究を行っていきたい。
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