研究課題/領域番号 |
19K14529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森田 陽介 京都大学, 理学研究科, 助教 (70804318)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 幾何学 / 位相力学系 / Conley指数 / 固有な作用 / 等質空間 / Clifford-Klein形 / condensed set / Dynkin指数 / K理論・KO理論 / コホモロジー |
研究開始時の研究の概要 |
群作用・固有性・コホモロジーに関わる幾何学を探究する。具体的には以下の研究に取り組む予定である。 等質空間を不連続群の作用で割って得られる多様体を Clifford-Klein 形という。本研究では等質空間 G/H が非 Kaehler な G-不変複素構造を持つ場合(典型的には、半単純 Lie 群の楕円軌道の場合)に、Clifford-Klein 形の Dolbeault コホモロジーと Lie 環の相対コホモロジーを比較することで、G/H がコンパクトな Clifford-Klein 形を持つための新しい必要条件を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
(1) 等質空間 G/H に G の離散部分群 Γ が固有かつ自由に作用するとき、商空間は G/H を局所的なモデルとする多様体の構造が定まる。このようにして得られる多様体を Clifford-Klein 形という。昨年度までに引き続き、Fanny Kassel・Nicolas Tholozan 両氏と共同で、与えられた等質空間がコンパクトな Clifford-Klein 形を持つための必要条件に関する研究を進めた。昨年度・一昨年度は新型コロナウイルス感染症の流行のため、両氏と対面で議論をすることができなかったが、本年度は11月・12月に2週間弱フランス・パリに出張して intensive に共同研究をすることができた。現在進めている共同研究の主定理が(対称空間のみならず)一般の簡約型等質空間に対して適用可能であることがわかった。また主定理が適用可能な簡約型等質空間の例を新たにいくつか見つけた。Kassel・Tholozan 両氏は最近 Clifford-Klein 形の「sharpness 予想」の解決をアナウンスしたが、その証明のアイディアを出張中に両氏から学んだ。 (2) 位相力学系の孤立不変集合に対して、Conley 指数と呼ばれる不変量が定義される。昨年度までの研究で、研究代表者は Conley 指数の新しい定式化を考え、それが condensed set の言葉を使うと自然に表現できることを見出した。今年度は Conley 指数理論への応用を念頭に、condensed set のホモトピー論の考察を行った。 (3) 同変コホモロジーを用いた Dynkin 指数の一般化について考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度までに Fanny Kassel・Nicolas Tholozan 両氏との共同研究を論文の形にしたいと考えていたが、今年度の後半が非常に忙しかったこともあり、完成させられなかった。 Conley 指数・condensed set に関する研究も思ったほど進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Fanny Kassel・Nicolas Tholozan 両氏との共同研究の結果を、今度こそ論文の形に纏める。また両氏による sharpness 予想の解決で用いられた手法はさらに発展の余地があると思われるため、手法の詳細について両氏から学ぶ。そのために、次年度もフランスに出張することを検討している。 condensed set に関するホモトピー論を建設する。そのために、代数トポロジー・高次圏論の研究者の協力を仰ぐことも検討する。
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