研究課題/領域番号 |
19K14556
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
星野 壮登 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (20823206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 確率偏微分方程式 / 繰り込み / 正則性構造理論 / パラ制御解析 / 準線形放物型偏微分方程式 / KPZ方程式 / 正則構造理論 / Hoegh-Krohnモデル / Strichartz評価 / パラプロダクト / 波動方程式 / パラ制御理論 / ラフパス理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,非線形確率偏微分方程式(SPDE)を解析するための道具であるHairer氏の理論とGubinelli氏らの理論の双方の利点を生かし,より一般のSPDEの解析を行う.SPDEは特に統計物理の分野などでランダム性を含む現象を表すモデルとして広く使われているが,近年はHairer氏らのアプローチにより目覚ましく発展している.本研究では具体的なSPDEを足がかりに2つの理論を発展させ,その難点を克服する新しいアプローチを生み出すことを目標とする.
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研究成果の概要 |
繰り込みを必要とする確率偏微分方程式の研究を,一般論と具体例の両面から行った.一般論については,正則性構造理論という局所的な解析の理論と,パラ制御解析というFourier解析に基づく理論の2つのアプローチがあるが,それらがある意味で同値であることを証明した.具体例については,Hoegh-Krohnモデルに付随する確率量子化モデルや,摩擦項をもつ非線形確率波動方程式,さらに一般の非線形項をもつ準線形放物型方程式など,数理物理において重要な幾つかの確率偏微分方程式について,繰り込み可能性や解の時間局所的または大域的可解性などを示すことができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,繰り込みという特別な操作が必要な確率偏微分方程式が注目を集めており,場の量子論などの観点から盛んに研究されている.本研究課題の第一の成果は,この分野における正則性構造理論とパラ制御解析という2つの異なるアプローチが本質的に同値であることを厳密に示したことである.また第二の成果は,Hoegh-Krohnモデルなどの重要なモデルの繰り込み可能性を,場合によって一般論を拡張しながら証明したことである.これらの成果により,繰り込みを伴う確率偏微分方程式の一般論としての研究がさらなる発展を遂げることが期待される.
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