研究課題/領域番号 |
19K14560
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
中津 智則 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (50732898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 確率微分方程式 / 経路依存型係数 / 確率密度関数 / ガウス型評価 / バリアオプション / リスク指標 / グリークス / 離散・連続時間最大値 / リスク計算 |
研究開始時の研究の概要 |
確率微分方程式(Stochastic Differential Equation、以下SDE)とは時間と共に変化する確率現象を微分方程式として書き表す数学手法であり、今日では様々な場面で用いられている。このSDEの解が複雑に関連する対象や複雑な係数を持つSDEは特に数理ファイナンスなどの分野で重要であるが、まだ十分に研究がなされてはいない。 このように重要であるがまだ十分に研究がなされてはいない研究対象を、理論・応用の両面から研究することが本研究の概要である。
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研究実績の概要 |
経路依存型の係数をもつ多次元確率微分方程式の解の確率密度関数のガウス型評価の研究について、前年度考えていたRama Cont氏らによるFunctional Ito calculusの理論は使えそうにないことが分かった。しかし、Vlad Bally氏が2006年に出版した論文のアイデアが使えそうなことが分かった。この論文では、証明の詳細が割愛されていたり独自の記号が使われていたりするので、現在は自身の研究に適用すべく、この論文の内容を書き直している。 (バリアオプションなどの)株価の最大値に依存する金融商品のリスク指標(グリークス)に関しては、デルタと呼ばれる株価に関する指標と、ベガと呼ばれるボラティリティ(株価の分散にあたる)に関する指標についての数値計算結果を国内外の研究集会などで発表し、研究者などから助言を得た。数値計算結果から、本研究結果が有効であることが観察されており、今年度中に論文にして学術誌に投稿しようと考えている。 また金融商品のリスク指標の研究については、株価の離散時間最大値に依存する金融商品のリスク指標の研究を始めた。こちらに関しては、まだ部分積分公式は得られていないが、デルタの表現を得ることが出来ており、今後はこれを部分積分公式を用いて表現し、数値計算出来る形にすることが当面の目標となる。その際、報告者が2023年に発表した論文の内容を利用できるのではないかと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経路依存型係数を持つ確率微分方程式の解の確率密度関数の評価については、今年度中に研究集会などで発表できる結果を出せそうだと考えている。 グリークスの計算に関する研究については、今年度中に論文を学術誌に投稿可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
確率微分方程式の解の確率密度関数の評価については、今年度中に研究集会などで発表し、研究者の助言を受けたいと考えている。 グリークスの計算に関する研究については、今年度中に論文投稿を目指す。 また、離散時間の最大値に関しても理論・数値計算の研究を行っていきたいと考えている。
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