研究課題/領域番号 |
19K14565
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西口 純矢 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (60813392)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遅延微分方程式 / 定数変化法公式 / 線型化安定性の原理 / 時間遅れネットワーク / 特性方程式 / 極限集合 / コンパクト性 / 位相力学系 / 大域アトラクタ / 時間遅れパラメータに関する解の滑らか依存性 / ソボレフ空間 / パラメータを持つ不動点問題 / 無限次元力学系 / 時間遅れ構造の抽出 / アトラクタ |
研究開始時の研究の概要 |
未知関数の時間微分がその現在の値だけでなく過去の情報にも依存する遅延微分方程式は,たとえば情報の伝達速度が有限であることに起因して現れる.本研究では,時間遅れを持つネットワーク上の力学系や時間発展する偏微分方程式のような空間相互作用を伴う時間発展システムに対して,内在する時間遅れ構造や,有限伝播性に着目することで取り出された時間遅れ構造を用いて,それらのシステムのダイナミクスを理解することを目指す.
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研究実績の概要 |
未知関数の時間微分が未知関数の過去の状態にも依存するような微分方程式を遅延微分方程式と呼ぶ.自励系の線型遅延微分方程式は非線型の遅延微分方程式の平衡点における線型化により得られる.したがって,線型遅延微分方程式の零解の漸近安定性を調べることは,それ自身興味あるだけでなく,非線型問題の理解という観点からも重要である. 「平衡点における線型化方程式の零解が漸近安定ならば,元の非線形方程式も平衡点近傍で局所漸近安定である」という主張は「線型化安定性の原理」として知られている.これは上に述べた非線型問題の理解という観点では,考察すべき第一ステップと言える. 線型化安定性の原理の証明には,常微分方程式の場合は定数変化法公式を用いることができる.これは,解を線型部分と外力に起因する部分に分ける公式である.この公式は,常微分方程式の場合には平衡点における不変多様体定理の証明に用いることができる.したがって,定数変化法公式は常微分方程式の力学系理論において重要な手法の1つとなっている. 遅延微分方程式に対しても,定数変化法公式はこの約60年にわたって発展してきている.しかしながら,遅延微分方程式に対しては初期条件として初期履歴関数が必要となることから,その取り扱いは本質的に無限次元である.このことが遅延微分方程式の研究のさまざまな困難さを生み出す要因となっている. 本研究では,このような困難さを乗り越えるために線型遅延微分方程式に対する「軟解」概念を導入した.これにより,遅延微分方程式の解空間は無限次元であるにもかかわらず,ある種の有限次元性に着目することで基本行列解の異なる定義を与えた.また,それに基づいた定数変化法公式を得て,それを線型化安定性の原理,およびポアンカレ・リャプノフの定理の証明に応用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
定数変化法公式の研究に時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
ネットワーク構造や空間的広がりを持つ時間遅れ系の研究を推進する.
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