研究課題/領域番号 |
19K14592
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森川 耕輔 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (40824305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 欠測値データ解析 / 多重代入法 / 数理統計学 / 無視できない欠測 / 多変量解析 / セミパラメトリック推定 / 無視不可能な欠測 / 経験尤度法 |
研究開始時の研究の概要 |
得られるべきデータが得られない欠測値の問題は極めて重要であり,欠測に適切に対処しない解析方法は結果に大きなバイアスを生む.欠測値データを解析する際,そのデータが欠測した原因である欠測メカニズムを特定することが重要となる.特に,欠測メカニズムが無視不可能な場合,完全データを解析する際は不要である,観測データからは検証不能で主観的な仮定を要する.
本研究の目的は,無視不可能な欠測値データに対する仮定を緩和すること,そして,代表的な欠測値データ解析手法の1つである”多重代入法”を妥当な仮定の下で行えるように拡張することである.
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研究成果の概要 |
無視不可能な欠測値データ解析における,モデルの識別性及びセミパラメトリック漸近有効推定量を提案した.また,通常仮定される完全データのモデルへの仮定を観測データのモデルに対し課すことで,欠測メカニズムの無視可能性を観測データから検証可能な手法を提案した.さらに,令和3年度には,観測データのモデルを一般化線形モデルとした下で新たな識別性の十分条件を提案した.提案された新しい識別可能性条件の下,パラメータを効率的に推定可能なFractional代入法と多重代入法を提案した.今後は,これまでに得られた成果を,新たな無視可能性条件の下,セミパラメトリックな多重代入法へ拡張することが課題である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
得られるべきデータが得られない欠測値の問題は極めて重要であり,欠測に適切に対処しない解析方法は推定量に重大なバイアスを生じ得る.本研究では,応用上しばしば仮定されるデータから検証不能な欠測メカニズムの無視可能性を,観測データから検証するための十分条件を与え,これまで主観的に課されていた仮定を客観的に吟味することが可能となった.また,無視不可能であるという状況下でセミパラメトリック漸近有効推定量を提案し,新たな欠測値の代入法を開発した.これらの成果により,これまで応用上忌避されてきた無視不可能であるという状況下でのデータ解析手法の数理的基盤が構築され,より有用かつ実用的なものになるだろう.
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