研究課題/領域番号 |
19K14600
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
生亀 清貴 日本大学, 経済学部, 准教授 (30711593)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 数理統計学 / 多元分割表 / 対称性 / リスク資産データ / 正確検定 / 株価データ / 分割表解析 / 多変量解析 / 統計科学 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで多元分割表に対してセル確率の対称構造を表す様々なモデルが提案されてきたが、その多くは数理的な妥当性や整合性を求めるあまり、解釈がしにくいという難点があった。本研究では、日本の株価のデータを多元分割表の枠組みで表現し、株価の推移の対称構造について「解釈が容易な」モデルの提案を行う。さらに年ごとに作成される分割表の解析をそれぞれ行うことで、年代による確率構造の変化を明らかにする。作成される分割表は十分な観測度数が確保できないため、適合度検定におけるカイ二乗近似がうまくいかないおそれがある。したがって、小サンプルの下でも使用可能な正確検定の導出も試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、3×3×3×3の多元分割表に対して対称性に関するモデルを合計7つ定義した。提案モデルの当てはまりの良さを調べるために、解析データとして東証一部上場企業の株価の推移を抽出した。2009年の8月の株価に着目し、AICによって最適なモデルを選択したところ、解釈としては1週目の株価よりも4週目の株価の方が高い企業の割合と、同様の株価が低い企業の割合が同等であるという解釈が得られた。すなわち、この月は、株価が上昇した企業と下落した企業の割合が同等であるとみることができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では多元分割表に対して、数学的な妥当性はもちろんのこと、解釈のしやすさを念頭においてモデルの考案を行った。また、連続値を「意味のある差」に基づいていくつかのカテゴリに分類することで分割表を作成することを試みた。株価のデータを分割表に変換し解析を行うことで、分割表解析の観点から、新たな解釈を与えることに成功した。提案手法は経済データのみならず、医学、スポーツ科学、アンケート調査といった様々な分野に応用が可能である。
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