研究課題/領域番号 |
19K14602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 関東学院大学 (2023) 日本女子大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
兼子 裕大 関東学院大学, 理工学部, 講師 (40773916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 反応拡散方程式 / 自由境界問題 / 伝播現象 / 界面運動 / 漸近挙動 / 正値双安定 / テラス型分布 / 進行波 / 反応拡散系 / テラス型進行波 / Gierer-Meinhardt系 / 定常解の分岐構造 / テラス解 / transition / spreading / 定常問題 / semi-wave / 伝播 |
研究開始時の研究の概要 |
自然界における種々の現象は,反応拡散方程式系によって記述される.反応拡散方程式は様々な時空間パターンを生成するが,その様相は多様なため未解明な点が多い.界面運動と伝播も時空間パターンの1つであるが,その仕組みは未だ十分に明らかになっていない.本研究の目的は,反応拡散方程式系で表される様々な現象に対して界面運動と伝播の生成メカニズムを明らかにすることである.そのために,数学解析によって界面運動と伝播に関する様々な性質を導き,それらの性質の共通点や違いについて詳細に調べる.
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研究成果の概要 |
生物種の侵入現象を表す反応拡散方程式の自由境界問題について研究した.反応項が正値双安定と呼ばれる複数の零点を持つ場合,2つの安定平衡点に対応するBig Spreading(大発生)とSmall spreading(小発生)が存在することを示し,各々の漸近形状と対応する自由境界の拡大速度を求めた.また,ある条件下でBig Spreadingはテラス型分布を形成することを示した.さらに,これらの結果を空間多次元の自由境界問題にも拡張した.他の拡散現象と比較するとき,単独反応拡散方程式から複数のSpreading挙動やテラス型分布が生じる要因は,正値双安定項の非線形性に由来すると結論付けられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
侵入現象は外来種問題や生物多様性の観点から非常に重要な問題である.生物種の個体数密度と侵入前線を未知関数とするとき,侵入現象は反応拡散方程式の自由境界問題として定式化できる.この問題を解くことによって,生物種がどのように分布し侵入前線がどれほどの速度でどこまで拡がるのかということについて,理論的に深く理解することができる.特に本研究で示されたテラス型分布は,生物種の小集団が先に定着した後,大集団が遅れて押し寄せるような伝播形態が存在することを示唆している.
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