研究課題/領域番号 |
19K14616
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 (2020-2023) 中央大学 (2019) |
研究代表者 |
吉井 涼輔 山陽小野田市立山口東京理科大学, 共通教育センター, 講師 (30632517)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | カシミール効果 / 真空の構造 / 量子多体効果 / 相転移 / 多体相関 / 非平衡熱機関 / 真空構造 / Casimir効果 / 多体効果 / 境界効果 / 非一様解 / 非平衡系 / 真空構造の解析 / 不純物系 / 真空ゆらぎ |
研究開始時の研究の概要 |
量子力学の世界では真空はゆらいでおり、そのゆらぎが物質間の力(カシミール力)を生むことがある。特に電気的に中性な物質に対してはカシミール力が重要となり、~1μmの物質においては最も支配的な力となる。 この力の制御方法の理解は工学的な応用において必須であるだけでなく、宇宙論における宇宙項問題、素粒子物理学における余剰次元の有限サイズでの安定化、生物学における二重膜構造の安定化、化学における分子間力における重要性も指摘されている。 本研究では、ゆらぎを生じている場における相互作用を考慮することにより、カシミール力の統括的理解と相互作用によるCasimir力の制御方法の提案を目的としている。
|
研究成果の概要 |
本研究では量子多体系における真空の構造に由来したカシミール力への影響とまたその利用方法の提案という目的に基づき、多体系における真空構造の解析、カシミール効果に対する相転移の影響、パラメータが変調する際に取り出すことが可能な熱力学的な仕事の解析、ノイズのある場合に対する量子多体相関のある場合のノイズのない場合の真空状態からのズレの推定方法など、関連する話題を多岐にわたって調べた。結果として、磁場の印加された系における非一様な凝縮体の安定性、磁場による相転移によるカシミール力の特異的振る舞い、パラメータの周期変調による仕事の発生、スピン1ボソン系の真空状態の不安定性などを明らかにしてきた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では真空の揺らぎから生じる力(カシミール力)に関連する統括的な研究を行った。この力は至る所で現れるため、微小な素子や生体膜における影響から、高エネルギー物理学における余剰次元のコンパクト化の起源の可能性なども調べられている。本研究ではカシミール効果における量子多体効果の影響とそれを用いた制御、そして応用方法の提案など、今後の発展へとつながる研究を行ってきた。研究期間を通して論文12報と招待セミナー5件、国際会議発表(口頭発表5件, ポスター発表8件)など様々な媒体を通して成果を報告してきた。この研究がさらに深まることにより、実際の応用や自然現象のより深い理解へと繋がることが期待される。
|