研究課題/領域番号 |
19K14622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
森 貴司 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (00647761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 開放量子系 / 非平衡統計力学 / 量子多体系 / フロケ理論 / リウビリアンギャップ / 緩和時間 / マルコフ過程 / 準安定状態 / 準周期外場 / フロケエンジニアリング / 線形応答理論 / リウビリアン / 非平衡定常状態 / 固有状態熱化仮説 / 非平衡系 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの開放量子系の研究は、主に小さな量子系が環境と結合している状況を取り扱ってきた。しかし、近年の冷却原子系やイオントラップの実験の進展により、量子多体系と環境との結合を制御することが可能となり、制御された非平衡環境と結合した量子多体系がどのような量子状態に緩和するのかを理論的に明らかにすることが重要となってきた。 本研究ではこの問いに理論的にアプローチして、非平衡開放量子多体系の理解を目指す。特に、環境の非平衡性を積極的に利用することで、興味深い量子状態の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
量子多体系が散逸環境と結合した開放量子多体系、および時間変動する外場によって駆動された量子多体系の一般的な性質を理解するべく研究を進めた。まず、量子多体系が非平衡環境と弱く相互作用するときに実現する定常状態について研究し、孤立した量子多体系の持つ固有状態熱化と呼ばれる性質と定常状態の関係を明らかにした。さらに、開放量子多体系の緩和時間が、時間発展を生成するリウビリアンのスペクトル分解からどのように決まるかを明らかにした。さらに、周期的・準周期的・およびランダムに時間変化する外場駆動のもとでのエネルギー吸収率を、線形応答理論を超えた強い外場強度の領域で解析的に求めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
散逸や外場駆動のもとでの量子多体系の非平衡ダイナミクスの一般的な性質を明らかにすることは、統計物理学、固体物理学、原子・分子・光科学、さらには高エネルギー物理、量子情報に至るまで、物理学の広い領域で重要となる基礎的な問題である。本研究は、このような量子多体系の非平衡ダイナミクスの一般的な性質のいくつかを明らかにしたもので、今後の量子物理学の発展にとって基礎的な成果を得ることができた。
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