研究課題/領域番号 |
19K14623
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森川 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10632416)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 収束電子回折 / 電子顕微鏡 / 界面誘起強誘電性 / 局所構造解析 / ビームロッキング / ナノ電子プローブ / 大角度ロッキング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,バルクでは実現しない界面誘起による分極構造の発現機構の解明である.ナノ電子プローブを用いることで,界面近傍の局所領域の解析ができ,今回新たに導入するビームロッキング機構による電子回折データの定量解析から,従来不可能であった界面近傍の結晶構造や電子密度分布・静電ポテンシャル分布の3次元解析が初めて可能となる.結晶構造および電子密度分布・静電ポテンシャル分布の変化から,3次元的な原子変位と電子雲の偏りとの相関を明らかにし,界面特有の分極構造の発現機構解明を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,ナノ電子プローブを用いた収束電子回折法による高精度電子密度分布解析手法の確立と,その界面誘起分極構造への応用を行った.電子密度分布解析の高精度化では,ビームロッキングによる大角度収束電子回折図形を用いた場合の精度向上の検証とその起源の解明を行った.また,晶帯軸入射とビーム傾斜条件でのデータを用いた場合の精度を比較し,その起源を明らかにした. 界面誘起分極構造としてCaTiO3の双晶界面の解析を行った.各電子プローブ位置での収束電子回折図形の対称性の変化から,界面において中心対称性の破れを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
界面や粒界ではバルクとは異なる物性を示す場合があり,近年のデバイスの小型化に際してその重要性は増している.本研究によりナノ電子プローブを用いた電子密度分布解析手法の高精度化が実現し,今後様々な物質群への応用が行われる.また本研究で初めて界面での収束電子回折図形の取得に成功し,界面誘起強誘電性の解明に確かな一歩を刻むことができた.今後は開発した手法を用いて界面の電子密度分布解析を進め,その起源の解明とその応用へと進展していくことが期待できる.
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