研究課題/領域番号 |
19K14632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内田 健人 京都大学, 理学研究科, 特定助教 (40825634)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高次高調波発生 / 非線形光学 / 超高速現象 / 極端非線形光学 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では固体中の電子系、特にフェルミ面をもつ金属や、金属相から相転移を起こす物質を対象に高強度中赤外光で駆動した際に現れる光誘起非平衡状態を、試料から放射される高次高調波を観測することで明らかにする。従来の研究にはない金属相や相転移点近傍の電子状態を対象とすることで、ブロッホ電子のバンド内加速や相転移にともなう電子状態の変化に対応した高調波特性の変化が期待される。駆動光の電場強度や偏光を精密に制御しながら高調波の温度依存性を測定することで、光電場下の非平衡電子状態を明らかにし、その知見をもとに固体中電子状態の光による高速制御を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、金属相や相転移を示す材料の相転移点近傍での、高強度光駆動によって誘起される電子ダイナミクスおよび非線形光学応答の理解を目指した。この目的のため温度依存性を測定可能な反射型高次高調波検出系を構築し、モット絶縁体や電荷秩序系における高次高調波の特性を調べた。結果としてモット絶縁体Ca2RuO4では、モットギャップに対して指数関数的に高次高調波発生効率が増大する特異な法則が存在することを発見した。このことは非線形光学特性に電子相関の効果が大きく寄与することを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非線形光学応答は、量子光学や生体イメージングなどの基礎研究、光ゲートやレーザーポインターなどの応用など広く利用されておりその基礎物理的な理解は重要である。特に申請者は、レーザー光強度が極端に強い際に生じる非線形光学応答をこれまで良く調べられていなかった強相関電子系と呼ばれる物質群で調べた。結果としてこれまで研究されてきた物質とは異なる特異な振る舞いを非線形光学応答が示し、シンプルな法則に従うことを明らかにした。このことは、新しい非線形材料の設計指針などを与える可能性がある。
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