研究課題/領域番号 |
19K14637
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
奥山 倫 明治大学, 理工学部, 助教 (60735562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 機械的運動 / 格子振動 / フォノン / 群の表現論 / トポロジカル絶縁体 / キャビティQED / 剛体回転の量子論 / ディラック分散関係 / 可変バンドギャップ / バルクエッジ対応 / エッジ状態 / 量子光学 / 量子ドット / シュレーディンガーの猫 / メゾスコピック系 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンナノチューブ中に作成した電荷量子ビットの輸送現象によって、チューブのフォノンを制御する方法を理論的に検討する。この系は量子光学における共振器電磁力学と等価であるが、物質とボソンの相互作用ははるかに強い。したがって、フォノンの量子「光」学では強結合に起因した新奇現象が期待できる。セミマクロな物体の量子状態であるフォノンの量子状態と環境による擾乱を理解することは、現代物理学の未解決問題であるマクロな系の量子力学の理解につながる。
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研究成果の概要 |
本研究ではカーボンナノチューブの機械的な運動を量子論的に調べた。まず、π電子と同じ変換則に従う面直フォノンを群論を用いて解析し、電子と類似したディラック分散関係と曲率由来微細構造の存在を示した。次に架橋したチューブに埋め込まれた荷電量子ビットが局在フォノンと相互作用する系の電子輸送を調べた。この状況はフォノン版「キャビティQED(量子電磁力学)」にほかならないが、電子ボソン結合は光学系よりもはるかに強い。強い結合はフランク・コンドン効果として観測される。最後に軸受けに拘束されたチューブの剛体回転を調べ、回転の量子状態が古典的な回転モードである自転・歳差・章動と対応づけられることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではカーボンナノチューブの機械的運動の量子論な性質を理論的に調べた。従来、ナノチューブの物性研究はその特異な電子系を主たる対象としており、機械運動そのものに着目した研究は稀である。ナノチューブはエレクトロニクスだけでなく、強靱かつ軽量なワイヤとしての応用も期待されており、基礎研究の分野からの下支えは重要である。さらに、ナノチューブのようなセミマクロな物体の量子状態の研究は、系のスケール変化によって、どのように量子系から古典系へのクロスオーバーが起きるのかという量子力学の根源的な問いを考える上で重要なヒントとなるだろう。
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