研究課題/領域番号 |
19K14639
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
素川 靖司 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 助教 (70768556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 冷却原子 / 人工ゲージ場 / ボース・アインシュタイン凝縮体 / 量子制御 / 幾何学的位相 / 非可換ベリー位相 / リュードベリ状態 / 光格子 / トポロジカル物性 |
研究開始時の研究の概要 |
「バルク・エッジ対応」で良く知られているようにトポロジカル物性においては、界面やエッジが重要な役割を果たしている。一方で冷却原子系では緩やなポテンシャルに原子集団が閉じ込めることが一般的であったため、明確な界面は存在できていなかった。本研究ではレーザー光の空間モードをエンジニアリングすることにより、冷却原子に対して界面や接合面を創り出して、実空間中のトポロジカルなエッジ状態を観測することを目指す。
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研究成果の概要 |
量子系の幾何学的・トポロジカルな特性は物性を特徴づけ、マクロな振る舞いさえも決定する。本研究では、ボース・アインシュタイン凝縮したルビジウム原子集団に対して、精緻に位相・強度を制御したマイクロ波を照射することで、非可換なSU(2)人工ゲージ場を量子エンジニアリングし、非可換な幾何学的位相を観測・制御することに成功した。閉じた軌道を描くように断熱的にハミルトニアンを変化させることで、ベリー位相を一般化したWilczek-Zee位相を観測・制御するとともに、量子プロセス・トモグラフィを用いて、Wilczek-Zee位相を評価し、ゲージ依存しないウィルソン・ループによって特徴付けることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子系の幾何学的・トポロジカルな特性は、物理や化学など分野横断的に議論されており、物性を特徴づけ、マクロな振る舞いさえも決定するなど重要性が高い。冷却原子系は量子シミュレータ、量子コンピュータ、量子センサーのプラットフォームとして注目されており、本研究成果は、非可換な幾何学的位相を用いたスピン・デバイスや量子シミュレーション、量子センサー、ホロノミック量子コンピューティングへの応用が期待される。
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