研究課題/領域番号 |
19K14641
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福岡 脩平 北海道大学, 理学研究院, 助教 (80746561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 誘電性 / 磁性 / 核磁気共鳴 / 熱測定 / 分子性固体 / π-d系 / μSR / メスバウア― / 超伝導 / NMR |
研究開始時の研究の概要 |
分子性固体には2分子からなるdimer構造を1ユニットとして、一つのdimerに一つの電荷が局在化した状態 (dimer Mott絶縁体状態) を示す物質群がある。近年、このdimer Mott絶縁体の物質群で、dimerを形成する2分子に電荷が不均一に分布した電子状態が現れることが示された。本研究では、この電荷の不均一な分布が生じる微視的な起源をdimer構造の対称性に着目して解明し、さらに電荷の不均一な分布が生み出す新規な電子状態、新規機能性の開拓を行うことを目的としている。
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研究成果の概要 |
dimer構造を有する分子性固体において、dimer内での電荷の濃淡という電荷自由度が寄与することで発現する新規な電子相、誘電応答現象の探索とその起源解明を目指した。研究成果として、λ型の構造を持つ分子性固体がdimer内での電荷の濃淡に起因したリラクサー挙動を示すことを見出した。さらに核磁気共鳴分光法を主な研究手段として、熱容量、誘電率、メスバウアー、μSR測定を相補的に用いた研究を展開し、これまで未解明であったλ-(BEDT-STF)2GaCl4の基底状態、λ-(BEDT-STF)2FeCl4及び混晶塩で発現する特異な磁気状態の解明に繋がる重要な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では電荷の濃淡という新たな電荷自由度が生み出す新奇物性、機能性の探索と解明を目指した。結果として、対象物質が電荷の濃淡に起因するリラクサー的挙動を示すことを見出した。また、対象物質の特異な磁気的性質の解明に繋がる重要な知見を得た。電荷の濃淡による誘電現象は、電気分極が変化する際に、変化するのは電荷の濃淡のみで従来物質のような格子変位を伴わないことから、例えば光による高速スイッチングが可能な高度機能材料への応用が期待されており、本研究成果が新材料開発の足掛かりとなることを期待している。
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