研究課題/領域番号 |
19K14645
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井戸 康太 東京大学, 物性研究所, 助教 (50827251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 量子スピン液体 / 多体波動関数法 / 変分モンテカルロ法 / 励起スペクトル / 輸送特性 / 励起状態 / トポロジカル状態 / 数値計算 / スピン伝導 / スピン液体 / 磁性 / 物性理論 / 動的構造因子 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル量子計算への応用が期待されているマヨラナ粒子が発現する状態として、Kitaev模型における量子スピン液体が注目を集めている。このKitaevスピン液体を実現しマヨラナ粒子を制御する目的で、Kitaev候補物質の磁場応答や他物質との接合系に関する研究が急速に進展している。このような状況の中、Kitaev候補物質に関する理論研究は、新奇現象の予測や実験結果の解釈を行う上で重要な役割を果たすと期待されている。本研究では、大きな空間サイズを高精度に取り扱える変分モンテカルロ法を開発・適用することで、Kitaev候補物質の有効模型における磁場励起ダイナミクスと輸送特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
電子間に働く相互作用が強い強相関電子系において発現する量子スピン液体と、それらを取り扱える柔軟かつ高精度な多体波動関数法に関する研究を実施した。拡張Kitaev模型や有機固体の第一原理有効ハミルトニアンといった量子多体系を解析することで、それらで発現する量子スピン液体の安定性や性質を理論的に明らかにした。また、強相関電子系における励起ダイナミクスを効率よく計算することができるよう手法開発も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低温になっても磁性を示さない非磁性絶縁体である量子スピン液体は、長距離にわたる強い量子もつれ構造を有するため、量子計算などの量子技術への応用が活発に議論されている。本研究課題では、こうした量子スピン液体がどのようにして安定になるのか、どのような性質なのかを高精度な数値計算結果に基づいて議論できた。得られた知見や開発した手法は、今回の研究で解析されなかった他の量子スピン液体の物性解析や新奇量子スピン液体物質の開拓、さらには超伝導体やトポロジカル物質といった多くの量子物質の解析へと繋がることが期待される。
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