研究課題/領域番号 |
19K14646
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
原口 祐哉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70808667)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | キタエフ模型 / スピン軌道相互作用 / 固相メタセシス / トポケミカル反応 / 量子スピン液体 / 新物質 / 低温合成 / ハニカム格子 / イリジウム酸化物 / コバルト酸化物 / トポケミカル合成 / 磁性体 / スピン液体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、キタエフ模型を有する新物質の開発および新奇物性開拓を目指すことを目的とし、その方法としてトポケミカル反応やメタセシス反応などの低温合成法を用いる。本研究では次の3つの目標を掲げ、実行する。(1) 低温合成法が可能な新たな前駆体を探索し新しいキタエフ型磁性体を合成し、さらに、(2) 超高圧反応や水熱反応などとの組み合わせによる新しい低温合成法を開発しさらなる対象物質の拡張を図り、また、(3) 低温合成に基づく特異な配位構造によってスピン軌道結合の効果を制御し、異常物性の開拓を行う。
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研究成果の概要 |
キタエフ模型は、量子スピン液体を実現する量子多体模型として広く知られていますが、その性質を実現する磁性体(キタエフ磁性体)の物質は限られていました。本研究では、トポケミカル反応や固相メタセシス反応などの速度論に基づく反応経路制御手法を用いて、4種類の新しいキタエフ磁性体の開発に成功しました。さらに、それらの磁気特性を詳細に調べることで、量子スピン液体的振る舞いを示す化合物を発見するとともに、三方晶歪による励起状態の混成やモット崩壊状態など、多様な電子状態がキタエフ磁性体の特徴を決定することを明らかにしました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって新たに開発された新しいキタエフ磁性体は、学術的に量子スピン液体やキタエフ物質の理解を深める上で重要です。これらの物質は多様な電子状態や磁気特性を持ち、量子多体系の理論と実験の橋渡しを可能にします。また、社会的意義として、キタエフ磁性体や量子スピン液体は、量子コンピューターや量子通信技術の発展に寄与する可能性があります。量子スピン液体は、非常に長い量子コヒーレンス時間を持ち、高い信頼性や効率を持つ量子情報処理技術の実現が期待されています。本研究で開発された新しいキタエフ磁性体は、これらの応用技術の開発に重要な役割を果たす可能性があります。
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