研究課題/領域番号 |
19K14653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 嘉大 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20804735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スキルミオン / 磁気光学効果 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
スキルミオンの特殊なスピン配列によって生じるベリー位相効果によって引き起こされる伝導電子ダイナミクスの探索を行い、これまでにはないスキルミオンの光機能性や光応答の観測を目指す。具体的には、スキルミオン由来の光の偏光回転(ファラデー回転)の観測や電流誘起磁化発生(エデルシュタイン効果)の光検出を行う。前者では磁場誘起のファラデー回転スペクトルを広いエネルギー領域において測定し、後者においては、ファラデー回転の電流誘起成分の検出を行う。ともに、温度磁場を広く測定することでスキルミオン相との対応を精査し、スキルミオン由来の効果の検出を試みる。
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研究成果の概要 |
スキルミオンのベリー位相効果によって引き起こされる新奇な伝導電子ダイナミクスの解明・開拓を目指し、ひいては新奇光機能性や巨大光学応答の実証を目指した。具体的には、スキルミオン由来の(1)電流誘起磁化(エデルシュタイン効果)、(2)磁気光学ファラデー回転の観測を目指した。前者については再現性のあるデータがとれなかった一方で、後者に関しては、トポロジカルホール効果とよく対応した振る舞いの磁気光学効果が観測された。この磁気光学ファラデー効果はスキルミオン形成に伴うバンド変化によって引き起こされる光学遷移において共鳴的な増大を示し最大20mradを超える巨大偏光回転を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スキルミオンにおけるベリー位相効果は理論的には明快に示されているものの、実験的な実証は容易ではなく、また現象のバリエーションとしても乏しいのが現状である。本研究では、これまで行われてこなかった光学応答の探索を行い、スキルミオンと電子状態が強く相互作用することで初めて生じる光学応答を確立することができた。応用的な観点からみても、磁気光学効果は現代ではアイソレーターの原理として携帯電話などの通信デバイスのキーテクノロジーである。その増強指針においてトポロジカルスピン構造という新しいガイドラインを提案することができた。
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