研究課題/領域番号 |
19K14656
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浦田 隆広 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30780530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 電気磁気効果 / 磁性 / 輸送現象 / 強相関電子系 / 電子輸送現象 / 量子輸送現象 / 反強磁性体 / 多極子秩序 / 元素置換効果 / 反強磁性スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、電流と磁化の間で生じる新たな電気磁気効果が注目を集めているが、電気抵抗と言う基本的な物理量にどの様な影響が現れるかは未解明な点が多い。この根源的な問いに対する答えを得るため、本研究では、二色性伝導と呼ばれる、電気磁気効果に起因する整流効果に焦点を当て、微細加工によって電流・磁場方向を精密に制御した試料を用いて測定する。さらに、元素置換によって磁気抵抗効果と二色性伝導が受ける影響を比較することにより、両者の関係性を定量的に解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
電気磁気効果と電気抵抗の間にある関係に関する知見を得ることを目的とし、反転対称性が破れた反強磁性体CaMn2Bi2及びその元素置換系の二色性伝導特性を測定、評価した。二色性伝導の温度依存性からは、反強磁性転移温度付近でジュール熱に起因するピークが観測された。一方低温ではジュール熱の影響では説明できない上昇が観測された。しかし、この振る舞いが持つ試料依存性に悩まされ、本研究期間中には起源を解明するには至らなかった。最終年度途中で状況を鑑みて方針を転換し、上記と同時並行で新規物質開発も行った。その結果、反強磁性体LnMnSb2 (Ln = Pr, Ce)の単結晶育成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピントロニクス応用を見据え、反強磁性体の磁気状態制御・検出に関する研究が盛んに行われている。本研究では特殊な対称性を持つ反強磁性体における、磁気構造と電流との相互作用を調べた。得られた成果は主には測定時に発生するジュール熱や試料依存性という実験的なエラーの蓄積となったが、これによって今後様々な系で本手法を拡張する際の基盤となる知見を得ることが出来た。
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