研究課題/領域番号 |
19K14664
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 中央大学 (2020-2022) 東邦大学 (2019) |
研究代表者 |
荒川 直也 中央大学, 理工学研究所, 専任研究員 (20736326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | スピントロニクス / マグノン / 磁性絶縁体 / マグノン間相互作用 / 輸送現象 / 磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、磁性絶縁体のマグノン凝縮の安定性とマグノンの熱伝導の応答係数に対するマグノン間相互作用の影響を理論で系統的に調べます。そして、磁性体の磁気構造の対称性の違いに着目して、その結果を考察することにより、磁性体の対称性の違いに由来する性質やそれによらない普遍的な性質の解明を目指します。さらに、その得られた結果をもとに、これまでの解釈の妥当性や限界の解明、既存の問題の解決や今後の研究の指針の提示、新しい性質の予言につなげます。
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研究成果の概要 |
磁性絶縁体のマグノンの凝縮や輸送現象に対するマグノン間相互作用の影響について系統的な理論研究を行い、以下の成果を得ました。1. フェリ磁性絶縁体のマグノン輸送現象におけるマグノン間相互作用が誘起するバンド間マグノンドラッグの発見、2. キャントした反強磁性絶縁体のマグノン輸送現象における新しいマグノンドラッグ(ノンコリニアな磁性絶縁体特有のマグノン間相互作用の影響)の発見、3. らせん磁性絶縁体のマグノンエネルギー分散やマグノンペアー凝縮の安定性に対するマグノン間相互作用の影響の解明。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マグノンの流れを使う磁性絶縁体のスピントロニクスの理解にはマグノン間相互作用の理解が必要不可欠でしたが、これまでの多くの研究ではその影響は無視されていました。本研究により、磁性絶縁体のマグノンの輸送現象においてマグノン間相互作用があるからこそ実現する新しい性質を発見しました。本研究の成果は磁性絶縁体のスピントロニクスにおけるマグノン間相互作用の物理の学理構築として学術的意義があります。また、本研究で発見した新しい性質を利用することで磁性絶縁体のマグノンの熱流やスピン流の大きさの変調が可能になるため、社会的にも意義のある成果です。
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