研究課題/領域番号 |
19K14672
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
作道 直幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (50635555)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 亀裂進展速度ジャンプ / 破壊力学 / 可解モデル / 速度ジャンプ |
研究開始時の研究の概要 |
ソフトマターの破壊において、亀裂進展の速度が 1 mm/sec 未満の低速から 1000 mm/sec 以上に数千倍も高速化する相転移現象「速度ジャンプ」の物理を解明する。速度ジャンプは、多くのソフトマターで起こる普遍的な現象であるが、その原理は未解明である。申請者は最近、速度ジャンプを起こすシンプルな可解モデルの構築に成功し、数学的な解析解に基づいて、ゴムにおいて速度ジャンプが起こるための最小限の要件を明らかにした。この可解モデルを拡張・改良することにより、ゴム以外の物質や様々な破壊モードも含めて速度ジャンプを系統的に解析し、実験や数値計算と比較することでその物理を解明する。
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研究成果の概要 |
ソフトマターの破壊において、亀裂進展の速度が急激に高速化する相転移現象「速度ジャンプ」の物理を調査した。様々な合成ゴムを用いた実験および連続体力学に基づく数値シミュレーションによって、ゴムにおける速度ジャンプは「亀裂先端部の動的なガラス化」により発生するという仮説の妥当性を実証した。また、本研究を粘弾性シートにおける亀裂進展の問題に一般化し、化学架橋された高分子ゲルや再生医療に用いられる細胞シートにおける亀裂進展の物理を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
速度ジャンプは、ゴム、ゲル、樹脂、多孔質材料、生体細胞、地震など、多くのソフトマターで起こる普遍的な現象である。本研究により、ゴムにおいて速度ジャンプが起こるための最小限の要件が明らかになり、ゴム以外の材料における亀裂進展の物理の理解も進んだ。従来の破壊力学は、ハードマターを主な対象としてきたが、本研究はソフトマターを対象とする新しい破壊力学の構築につながる。
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