研究課題/領域番号 |
19K14673
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
多羅間 充輔 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90756834)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アクティブマター / 細胞運動 / 細胞骨格 / 自己組織化 / 協同現象 / メカノセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
生物細胞は、どのように自律的な運動を獲得し、周囲の環境に応じてどのように運動を変化するのかを、物理学の視点からモデルを構築して理解することを目指す。特に、単一の細胞が、その接着する基盤の力学的な状態を認識して運動を制御する現象を、内部状態の変化に着目して解明する。また、多数の細胞が自己組織化する細胞集団・生体組織において、個々の細胞がどのように運動を制御することで、協同的な運動が実現するのかを研究する。
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研究成果の概要 |
細胞の力生成を担う細胞骨格の微細構造と、細胞が集団移動するときに自己組織化する動的網目構造に対して、それぞれ物理モデルを適用し、構造形成原理の解明に成功した。細胞骨格の粗視化分子動力学モデルでは、ミクロな分子情報を入力にして、観測結果と定量的に一致する結果を得た。また、細胞力学モデルを用いた解析では、細胞の変形と接着とが網目構造形成に重要な役割を果たし、その運動性が構造を動的に変化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞骨格が自己組織化するメソスケールの高次構造は、そのスケールゆえにミクロなモデルを愚直にスケールアップすることでは到達困難である。我々は、ある程度粗視化した分子動力学モデルを用いることで、ミクロな分子情報を直接的なパラメタとしたシミュレーションにより実験結果を定量的に再現する手法の開発に成功した。細胞集団の研究では本質を残して簡単化したマクロなモデルにより、集団運動と構造形成とを両立させるメカニズムを解明した。これらの研究は今後、生命現象の背後に潜む様々な自己組織化構造の形成原理を解明することに繋がる成果である。
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