研究課題/領域番号 |
19K14674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
林 智彦 新潟大学, 自然科学系, 助教 (90838070)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ペプチド抗癌剤 / 天然変性ペプチド / 自由エネルギー計算 / 水和自由エネルギー / 積分方程式理論 / 形態計測学的アプローチ / 自由エネルギー関数 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代抗癌剤候補としてペプチド製剤への期待が高まりつつあるが、わずか10残基のペプチドであっても10兆を超える組み合わせがあるので、実験のみによる創薬は困難かつ高コストである。そこで本課題では、ペプチド抗癌剤候補を物理理論に基づいて高速に探索する手法を開発する。このために、「生体分子同士の結合の駆動力を詳細に解析するための方法論(統計力学理論+分子シミュレーション)」および「物理理論のエッセンスを抽出した自由エネルギー関数」を駆使する。具体的には、抗腫瘍蛋白質p53の働きを阻害する蛋白質MDM2に結合して、MDM2を無効化する新規抗癌剤候補ペプチドの理論的設計・実験による合成に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究は、癌原因タンパク質MDM2(抗腫瘍蛋白質p53の働きを阻害する)に強く結合することでMDM2を無効化する「ペプチド抗癌剤候補」の理論による設計・実験による合成を目的とした。 その成果として、「タンパク質とペプチドの結合自由エネルギーを高速に計算する手法」を開発し、抗MDM2ペプチドの結合メカニズムを解明するとともに、得られた知見をもとに「新規ペプチド抗癌剤候補」を実験により合成することに成功した。さらに、「タンパク質-ペプチド複合体の天然構造を高速に特定する理論手法」の開発を進めることで、ペプチド創薬における新たな基盤の構築へと発展させることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、「ペプチド薬剤探索の飛躍的な高速化」に向けた基礎研究が大きく進展した。これにより、多くの新薬候補の創出が期待できる、という学術的意義を持つ。 さらに本研究の成果は、生体機能の分子レベルでの究明・制御を基盤とする、「次世代の生体医工学」研究領域の開拓へ貢献している。これにより、様々な疾病原因の解明から治療薬・予防法の開発に至る、我が国のライフサイエンス推進と「健康長寿社会」の構築に大きく貢献できる、という社会的意義を持つ。
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