研究課題/領域番号 |
19K14689
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
向井 清史 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (90632266)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 非接触ダイバータ / ボロメータ / イメージング / 輻射計測 / 非接触プラズマ / 薄膜 / プラズマ計測 / 核融合 / 真空蒸着 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合炉では、装置内壁の局所的な熱負荷を減らすため、プラズマ周辺のダイバータ部を内壁と非接触にする、非接触ダイバータという運転手法が考えられている。その実現には、プラズマからの輻射を含むエネルギーの伝搬を明らかにする必要があり、高感度・多チャンネル(イメージング)の輻射計測が求められる。 本研究では、ダイバータプラズマを対象とし、薄膜検出器の金属層の構造を①真空蒸着法により薄くする、②小型の検出器に分割して熱伝導による損失を減らす、という2つのアプローチで計測を高感度化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、非接触ダイバータのエネルギーバランス等の解明に必要な輻射2次元分布計測器である、赤外イメージングビデオボロメータ(IRVB)を高感度化した。ダイバータ模擬実験を行っている筑波大学GAMMA10/PDX装置のIRVBを対象に、(1)薄膜検出器を見込む画素数が最大となる赤外線カメラを導入し、(2)1 keV以下の輻射計測に最適な材料と膜厚の検討から厚さ1ミクロンのチタン薄膜を採用した。高感度化により、これまで計測できなかったNe入射時の輻射計測に成功した。XeではNeの3倍を超える輻射が計測されており、今後不純物ガス種の比較により非接触ダイバータ物理機構解明への貢献が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核融合発電の実現には装置内壁の局所熱負荷を減らす必要があり、不純物ガスを入射し輻射損失を増やして熱負荷を分散する、非接触ダイバータと呼ばれる運転方法が検討されている。その物理機構の解明には中小型のプラズマ実験装置を活用して知見を蓄積する必要がある一方で、中小型の装置では輻射が弱いため計測器の高感度化が課題であった。 本研究では、輻射イメージング計測の主要な構成部品である赤外線カメラや薄膜検出器の材質及び膜厚を検討し、高感度化に成功した。これまで計測できなかった不純物ガス種の条件でも輻射計測が可能となったことで、今後中小型装置を活用した非接触ダイバータの物理機構の解明が進展すると期待される。
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