研究課題/領域番号 |
19K14697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
若月 琢馬 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂研究所 先進プラズマ研究部, 主幹研究員 (40734124)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | トカマク / 強化学習 / 適応的制御 |
研究開始時の研究の概要 |
定常運転を行う核融合炉では、プラズマ電流の大部分が自発電流で駆動されるプラズマが求められるが、そのようなプラズマでは圧力と電流分布がプラズマの輸送特性によって自律的に決定される。このような自律性の高いプラズマの性能を安定に維持するために、本研究では実験における輸送特性に適応して制御を行うシステムを強化学習の手法を用いて実現する。強化学習を用いたシステムでは各制御時刻でのプラズマの応答特性を入力データから推定し、その特性に適応して制御を行うことができると期待され、多様な輸送特性を持つプラズマの信頼性の高い制御が実現できる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は令和4年度までに開発した二段階のニューラルネットワークによる安全係数分布と規格化ベータ値の複合制御システムの制御特性を数値シミュレーションにより試験した。第一段階目のニューラルネットワークについては、計測データから輸送障壁の強度を判定することができることを確認した。第二段階目のニューラルネットワークについては、学習対象として与える輸送障壁の強度の幅を制限したことにより、定常状態の安全係数分布をより早く実現するための制御が学習できることを確認した。二段階のシステムでは定常状態の安全係数分布をより早く実現するために、一時的に目的とする安全係数分布とは異なる分布を経由する制御が学習された。このように、長時間の制御の後に結果として得られる制御結果を最適化するために、一時的に制御目標から離れるような制御を行う結果は強化学習を利用したことにより実現された。これらの結果より、二段階の制御システムを採用したことにより、強化学習の特性を最大限利用した制御システムが実現されていることが明らかになった。以上の結果から、二段階の制御システムが適応的な制御を実現し、これまで困難だった輸送障壁を持つプラズマにおける安全係数分布と規格化ベータ値の複合制御を行うことができるようになった理由を明らかにした。以上の制御システムの研究開発及びその特性の理解について、核融合領域における最大の国際学会の一つであるIAEA核融合エネルギー会議において口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JT-60SAに対して開発した二段階のニューラルネットワークによる安全係数分布と規格化ベータ値の制御システムについて、その制御特性の理解が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に開発を行った電流分布、圧力分布の複合制御を行うシステムについて、外国装置での実験提案を行うとともに、JT-60SA装置への実装の準備を進める。
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