研究課題/領域番号 |
19K14698
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 渉太 東北大学, 工学研究科, 助教 (90823526)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / 活性種 / スーパーオキシドアニオンラジカル / 過酸化亜硝酸 / TRPチャネル / カルシウムイオン / 活性酸素種 / 活性窒素種 / 活性塩素種 / 活性硫黄種 / フーリエ変換赤外分光分析法 / 液体クロマトグラフィー / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,大気分解活性種を細胞が感受する機構を明らかにするために,細胞が高感度に応答する活性種供給環境とそれに関与する受容体を見つけ出すことを目的とする.その目的に向け,数十億年間の大気組成で大部分を占めた窒素・酸素・二酸化炭素・ 硫黄化合物・水の混合気体中放電によって生成される液相活性種群を高速に細胞に供給し,活性種供給量と受容体シグナルを同時計測するシステムを確立する.次に,受容体シグナルごとに気体組成を最適化した後,機能している受容体の選定及び受容部位の同定を行っていく.以上より,ガス組成,気相活性種組成,液相活性種組成,機能受容体,受容部位のデータベースを作成する.
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研究成果の概要 |
本研究は,生物が長年受けてきた環境ストレスの一つである大気分解活性種を高感度に受容する仕組みを明らかにするために,細胞が高感度に応答する活性種供給環境とそれに関与する受容体を見つけ出すことを目的として,研究を行った.大気放電が,酸素及び窒素の解離を起点にして,液中ラジカル反応を開始させ形成した,数分にわたって持続するO2-/ONOO-供給が,細胞膜上の受容体チャネルであるTRPA1/TRPV1のシステイン残基修飾を介した活性化を誘導することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,大気放電を活用した医療応用は,大多数が現象の報告に留まっていたが,本研究は,細胞が感知する大気分解活性種の同定,さらには機能受容体の同定と修飾機能部位の同定という分子機構解明に至ったため,学術的意義は大きいといえる.さらに,温度・機械刺激・痛み・酸-塩基といった種々の物理化学的刺激の感知に関わるTRPチャネルは,有望な創薬標的ともされており,特定のTRPチャネル活性を大気分解活性種で制御できる可能性を示したことは,新しい医療・薬応用創生につながりうる,社会的意義の大きい成果である.
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