研究課題/領域番号 |
19K14699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
簾 智仁 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 助教(特定雇用) (40783923)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 液中プラズマ / 低温合成 / 金属アルコキシド / 層状複水酸化物 / 低温結晶化 / 無機結晶 / アルコキシド |
研究開始時の研究の概要 |
結晶性無機材料の低温結晶化を実現する新しい反応経路を提案する。フレキシブルデバイスや高比表面積をもつ多孔体の作製を念頭に,結晶性金属酸化物を200℃以下の低温で作製する。本課題では,申請者が取り組んできた液中プラズマプロセスに対して,金属アルコキシドを原料として用いることで,ラジカル反応により結晶化を促進し,結晶化温度の大幅な低下を実現する。本手法を,『金属アルコキシド支援液中プラズマ(MASP)法』と名付け,モデル物質として,透明導電膜材料であるスズドープ酸化インジウム(ITO)の低温結晶化とフレキシブル基板との複合体作製を通して手法確立に挑む。
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研究成果の概要 |
結晶性無機材料の低温結晶化を実現する新しい反応経路を提案した。本課題では,研究代表者が取り組んできた液中プラズマプロセスに対して,金属アルコキシドを原料として用いることで,ラジカル反応により結晶化を促進し,結晶化温度の大幅な低下を目指した。液中プラズマの生成条件の検討結果から,パルス電源を用いた場合に,パルス幅,周波数共に単位時間あたりに印可するエネルギーを抑制することで,室温において,30分程度の合成時間で目的化合物である層状複水酸化物を得ることができた。無結晶材料の合成において液中プラズマ反応場を適用した例はこれまでにほとんどなく,研究の黎明期として,目的の化合物が本手法で得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
吸着材やイオン伝導体,生体適合性材料のデバイス応用や実環境使用のためには,活性炭やグラフェンといったナノ材料や,繊維,フォイルといった担体材料との複合する必要がある。しかし,実際には,無機材料の結晶化温度の高さから,担体材料の特性劣化や熱分解といった問題が付きまとう。結晶化温度の低下には,従来の加熱以外の反応促進機構が必要であると考えた。研究代表者は,液中プラズマのラジカル制御に精通している。そこで,無機-有機複合物質である金属アルコキシドとして選択し,液中プラズマプロセスを適用することで,低温結晶化を実現し,上記のボトルネックの解決を通してプラズマ科学と無機化学の融合領域の開拓を目指した。
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